米国大手企業、従業員が中絶する場合の旅費を負担すると発表。

Society & Business 2022.07.03

中絶が憲法で守られた権利であることを否定した米連邦最高裁判所の判決が出て以来、米国企業では従業員が中絶する場合に旅費を負担する動きがある。

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人工妊娠中絶の権利を否定した判決に対するネバダ州での抗議デモ。(アメリカ、2022年7月5日) photography: Getty Images

アメリカのみならず全世界に衝撃が走った。6月24日、米連邦最高裁判所は、1973年に中絶を憲法で守られた権利と認めた「ロー対ウェイド」判決を覆す判断をおこなった。これにより、人工妊娠中絶を規制するかどうかがアメリカ各州の判断に委ねられることになった。女性の権利が50年後退した日だった。

ルイジアナ州やミズーリ州など、いくつかの州はすでに中絶の禁止を発表して立場を鮮明にしている。他の州では逆の動きもある。カリフォルニア州やニューヨーク州は、中絶を希望するすべての女性をうけいれることを発表した。しかしながら州を移動する費用もままならない場合だってある。6月25日の「ニューヨーク・タイムズ」紙によれば、アメリカの幾つかの大手企業は他の州で中絶手術を受ける従業員の旅費を負担すると発表した。スターバックス、ウーバー、テスラ、イェルプ、エアビーアンドビー、マイクロソフト、ネットフリックス、パタゴニア、リーバイ・ストラウス、ペイパル、レディットなどがいち早く表明し、ウォルト・ディズニー、メタ、コンデナストなど、他の企業もすぐに追随した。

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リーダー層から声を上げよう

既製服ブランドのリーバイ・ストラウスは、米連邦最高裁の判断そのものに反対するよう経済界に呼びかけている。「リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)を守ることは、従業員にも我が国の経済にも、ジェンダーや人種の平等実現にも影響する以上、重要なビジネス課題だ。事の重要性をかんがみて、リーダー層から声を上げるべきだ」と同社は声明を発表した。

従業員17万人を擁し、全米最大の銀行であるJPモルガン・チェース銀行の広報担当者は、同社が「全従業員に平等な医療の提供を重視している」と述べた。同社の女性社員が処置を受けるために50マイル以上移動しなければならない場合、旅費が支払われるとのこと。ソーシャルニュースサイトのレディットも同様で、「福利厚生プログラムは、従業員の健康と安全をサポートするために設計されており、職場の女性をサポートするための確たる方針もある」と発表した。

アメリカのIT企業のリフトは声明を出し、「安全でプライベートなリプロダクティブ・ヘルス・サービスへのアクセスを奪うことで、何百万人もの女性が損害を被る」として、米連邦最高裁の判断を批判した。一方、ウーバーは中絶をしに行く女性を乗せて中絶をほう助したと運転手が訴えられた場合に訴訟費用を会社が負担することを約束した。

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)

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