スウェーデンのエロティックなゴミ箱が論議の的に。

Society & Business 2022.07.05

スウェーデンのマルモ市では、ゴミ箱がゴミの分別を促そうと公然とエロティックなメッセージをささやく。その声が女性のものばかりということで議論が巻き起こった。

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この議論を受け、マルモ市はスウェーデンの日刊紙によるインタビューに応じ弁明しようとした。photo : Getty Images

スウェーデンのマルモ市のデビッド・ホール橋に設置された2つのゴミ箱は、小さな声で応答し、人々をもてなす。「んん……ありがとう」「ああ、そう、ここよ」「ん……次はもうちょっと左にね」。ゴミ箱にゴミを入れるとささやきが聞こえてくる。

ユーモアで市民にゴミの分別を促そうと始められた取り組みでも、ポルノ映画からそのまま出てきたような機械の声は、不快感しか与えない。それが女性の声ばかりなのだからなおさらだ。

 

 

あからさまにエロティックなこのメッセージは、性差別的なものとしてすぐさまスウェーデン人の怒りを買い、SNS上で糾弾された。「スウェーデンでは公共のゴミ箱を開けると、ゴミをもっとポイ捨てするようにとうめく……ハハハ。いつになったら一息つける? 女性は尊敬されないのがお似合いってことみたいね」とあるユーザーはいらだっていた。

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ただのユーモア?

議論の広がりを受け、マルモ市はスウェーデンの日刊紙の記事で弁明を試みた。「これらフレーズは、最も汚いものとされるゴミについて話し合おうというキャンペーンの一環です」と、同市のマリー・ペーションは6月8日付のSydsvenskan紙で説明した。そして「このセクシーな声は、私たちのメッセージを伝えるための新しくおもしろい方法で、正しい行いをする人たちを笑わせつつ後押しできる」と付け加えた。

確かに……でも、ちょっと下手を打ったかもしれない。なぜなら、この取り組みは、デジタル技術での女性の声の性的描写について、より広範囲な議論を再燃させ得るからだ。「Néon」も指摘するように、AIアシスタント、スマートフォン、スマートスピーカー、GPSなどの音声アシスタントはほとんどが女性の声で、それは男性よりも女性が親切で従順であるというシグナルを送っている。

さらに視聴覚の規制を担うフランスの公的機関CSAによる2017年の報告では、「性的なキャラクターが表示される広告の67%は女性が起用されている」としている。

text : Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)

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