「イエス以外はイエスでない」スペインでレイプが厳罰化。

Society & Business 2022.07.13

5月26日、スペインの国会で、「性的合意」の範囲を明確に記した上で、強姦に関する法案が成立した。

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「これまでの犠牲者全員に対する義務を果たせたことになりました」とスペインのイレーネ・モンテーロ男女共生大臣(平等大臣)が発言(2022年5月26日、スペイン)photography: Getty Images

「イエス以外はイエスではない」とイレーネ・モンテーロ平等大臣は断言する。5月26日、スペイン議会は「性的合意」の範囲を明確に示した上で、強姦を厳罰化する法案を採択した。201の賛成、140の反対票があった。最終的に上院で可決されなければならないが、これによってスペインは性暴力対策の最前線に立ったと言える。

「今日という日は、すべての女性にとって重要な日となりました。これまでに性犯罪の被害を受けた、すべての女性のために絶対に成し遂げなければならないことが達成できました。私たちの娘、姉妹、女性の友人たちによりよい日々、そしてよりよい未来を残すことができるのです」と女性政治家として活躍するモンテーロ大臣はツイッターに書き込んだ。
 


この法案によって性暴行の定義が見直され、同意のないすべての行為が有罪となる。いままでは性的暴行は、加害者の暴力と脅しの度合いで罪の重さが測られていた。しかし7月6日の閣僚会議の場で政府のスポークスパーソン、マリア=ヘスス・モンテーロは、この新しい法案は「沈黙や無抵抗は、同意を意味するものではないことを明確に示す」と説明。また、これ以外にも、公共の場での声かけなどのハラスメントなども違法行為として含むことを目指している。

「オオカミの群れ」事件

この法案は「オオカミの群れ」と呼ばれる事件がスペインで起きた後に始まった論争の延長に位置する。2016年に5人の男性が18歳の女性に性的暴行を犯した裁判で、たった9年の禁固刑が言い渡された。さらに女性が拒否の意思を明確に示さなかったとして、集団強姦罪に該当しないと判断された。スペイン全国から怒りの声が上がり、大規模の抗議デモが起き、ついに2019年に強姦罪として覆された。

日本同様、フランスでも、まだレイプの定義に同意の有無に関する記載がない。フランスの刑法は、強制、脅し、不意打ちで行われた性交、または口腔性交のみを強姦と見なしている。

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr) translation: Hana Okazaki, Hide Okazaki

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