働く女性の更年期症状を緩和させる意外な要素とは?

Society & Business 2023.04.10

丸の内エリアを中心に、女性が働きやすい環境づくりに取り組む「まるのうち保健室」がこのほど、「働く女性 健康スコア」を発表した。同エリアで働く女性約3400人が回答した調査結果では、月経困難症・PMS・更年期症状を緩和させる意外な要素が明らかになった。

menopause_marunouchi_iStock-1279813225.jpeg更年期症状を和らげるのは医療的ケアだけではないことが明らかに。 photography: iStock

「まるのうち保健室」は、三菱地所が2014年からスタートしたプログラム。女性に特化した健康測定やカウンセリングイベント、働く女性の健康課題の各種調査を通し、女性の働きやすい文化醸成のために街全体で取り組んでいる。

22年には、産学医連携で実施した疫学調査「働く女性ウェルネス白書2022」を発表。働く女性の7割以上がPMSや月経困難症など女性特有の健康課題を抱えながら働いてることがわかったほか、経膣超音波検査を受けた4人のうち1人に異常所見が見つかったにも関わらず、うち3人に1人は産婦人科に通院したことがないという実態が明らかになった。

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この調査を踏まえ、本年新たに発表された「働く女性 健康スコア」では、大手町、有楽町、丸の内エリアにある14企業で働く約3400人の女性従業員を対象に、女性特有の健康課題・ヘルスリテラシー・セルフケア・就労環境・生活習慣の5つのセクションからなるアンケート調査をファムメディコとともに実施。半数近くの女性が「重い生理痛軽減」「生理日コントロール」を目的にピルを服用していることがわかったほか、既婚女性の5人に1人が不妊治療の治療中、治療経験ありと回答。卵子凍結については経験あり、興味ありという回答した女性が39%に昇った。

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卵子凍結とならび、里親制度への関心も高く、働きながら子どもを持つためにいろいろな情報を収集し、真剣に考え、悩む女性の姿が浮き彫りになった。提供:まるのうち保健室

さらに女性特有の健康課題について、ともに働く男性社員、上司、同僚が理解してくれる、職場の雰囲気が友好的と感じている女性ほど、ワークエンゲージメントや仕事の満足感が高いだけでなく、PMS、月経困難症、更年期症状などの症状が緩和されていることも明らかになった。特に更年期症状については周りの理解・サポートがあることで、更年期症状そのものが軽減されたり楽になったりした、という結果も出たという。

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3月8日に開かれた「働く女性 健康スコア」発表会には、藤本美貴さん、庄司智春さん夫婦も出席。女性特有の健康課題について、庄司さんは「男性が踏み込んじゃいけないと思っていたけれど、そうじゃない。踏み込んでいいし、男性はその踏み込み方もマナーとして学んだ方がいいと思った」と語った。提供: まるのうち保健室

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この調査に協力した神奈川県立保険福祉大学の吉田穂波教授は「薬の処方やカウンセリングなどの医療とケアで、働く女性の健康課題を少しでも解消したいと思っていたが、ともに働く周りの人たちの理解やサポートが“社会的処方箋”として当人の症状を和らげていることがわかった」と調査を振り返り、「働く女性の健康課題をわかろうとしてくれる、つらい状況だと受け止めてくれる存在が大切」と呼びかけた。

なお、この調査の分析結果は参加企業にフィードバックされ、各社でディスカッションを実施。その結果、新たな課題解決のヒントや福利厚生導入に繋がった企業もあったという。

まるのうち保健室は4月22日(土)11:30、丸ビル1階にあるマルキューブで「働く女性ウェルネス白書2022」および「働く女性健康スコア」をもとに働く女性の健康課題、パフォーマンスを高める施策について考えるトークイベントを開催予定。詳細はこちらからチェックして。

まるのうち保健室
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022/

 

 

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