夏休み明けを女性はクタクタで迎える。

Society & Business 2023.09.03

予想通りの結果というべきか。8月29日に発表されたフランス世論研究所(Ifop)とニューヨーク専門旅行サイト「Bons Plans Voyage New York」による調査結果によれば、休暇中も女性には気の休まる暇がない。

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休暇中も女性には気の休まる暇がない。photography:Oscar Wong / Getty Images

夫婦間での家事分担の偏りは、夏休み中も残念ながら変わらないことが、フランス世論研究所(Ifop)とニューヨーク専門旅行サイト「Bons Plans Voyage New York」が8月29日に発表した調査結果によりわかった。2004人のフランス国民を対象に実施された調査 (1)では、男性に比べ女性の方が、休暇明けの精神的肉体的疲労が憂慮すべきレベルに達していることが明らかになった。全体的に言って女性の方が男性よりも疲労を感じていると回答し(女性:調査対象者の70%対男性57%)、ストレスも女性の方が多く感じていた(53%対39%)。

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荷造りに洗濯

当然のことながら、女性がクタクタなのは夏休みも家事負担が女性に重くのしかかるからだ。バーベキューをしたり車を運転したりするのは主に男性で、それぞれ51%と64%に任されているが、女性の場合、子どものあるなしにかかわらず、休み中の家事全般を負担している。たとえば洗濯をやるのは女性69%に対して男性11%、食事のメインディッシュの準備も女性48%対男性28%だ。

子どもがいる場合、精神的負担はさらに増す。旅行に出かけるときの荷造り(女性71%対男性12%)、旅先での洗濯(72%、対3%)、ピクニックの準備(53%対17%)、子供の勉強を見る(46%、13%)のは女性が主に担っている。しかもこうした家事分担の偏りは、低所得者層や、普段から家事労働の過重な負担を強いられている女性において顕著となる。

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新学期の準備もストレスに

休み中のことだけでなく、新学期の準備も女性を疲れさせる要因のひとつだ。休み明けのことを考えると心配で頭がいたいという回答は男性(47%)よりも女性(60%)の方が多かった。

普段の生活に戻るための細々とした準備だってなかなか大変だ。旅行から戻った後の荷物の片付け(女性の65%)、帰宅後の洗濯(女性の74%)、子どもの学用品の購入(女性の64%)などだ。しかも金銭面での心配も加わったりする。調査結果では4人に1人以上(28%)は休暇後の銀行口座残高が100ユーロ以下であり、9%は赤字だった。

こうした状況を男性側も気づいていたりする。子どもがいる夫婦のうち、連れ合いよりも自分の方が休めたと自覚してる男性(56%)は女性(28%)の2倍いた。「休暇中も女性に任せっぱなしという昔ながらのやり方は、自由時間というものに対する明らかに保守的な考え方と、個人の欲求よりも家族の幸福を優先させるべしという非常に根強い社会通念に基づいている」と、Ifopのジェンダー・セクシュアリティ部門長のフランソワ・クラウスは見る。「この意味で、休暇をジェンダー的視点から見ると、夏休みになって夫婦や家族間での不平等が是正されるどころか、むしろ悪化することがわかる」と同氏は結論づけた。

(1)旅行サイト「 Bons Plans Voyage New York」の依頼でフランス世論研究所(Ifop)が行った調査は、2023年8月18日から21日にかけて、18歳以上のフランス人2,004人(うちカップル1,364人)を対象に、オンライン自記式調査で実施された。

text : Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr)

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