人工衛星がとらえた、チリのアタカマ砂漠の衝撃画像とは?

Society & Business 2023.09.05

チリのアタカマ砂漠のど真ん中に作られた巨大な洋服の堆積を、アメリカの衛星写真がとらえ、物議をかもしている。

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美しいアタカマ砂漠で撮影された衝撃の写真とは? photography: Shutterstock

南米のチリにはたくさんの素晴らしい景色がある。いくつもの火山、太平洋に沿った何千キロメートルもの海岸、アタカマ砂漠。しかしその砂漠の中には、想像を絶する量の使用済み衣類のゴミ集積所がある。SkyFiというアメリカの衛星写真を専門とする企業が、今年5月、その存在をTwitter(現X)で発表し、Discordフォーラムを使って、このゴミ捨て場を特定するためにコミュニティを動かした。

首都サンティアゴ市の北にあるアルトオスピシオ市の上空で撮影されたこの写真では、アタカマ砂漠の茶色い土に青い塊が浮かび上がって見える。すぐ下にある全長1.8kmのオイギンズ公園のサーキットと比べると、この洋服のゴミ捨て場がいかに巨大なものか想像できる。そして使い捨てファッションの墓場の規模も。

 

チリの砂漠の中に3万9千トンの洋服

2021年9月、AFP通信にマルティン・ベネッティ記者が掲載した写真によって、アルトオスピシオのゴミ捨て場に世間の注目をが集まった。彼のルポルタージュには、その年、20km先にあるイキケ港から46,285tの使用済みの服がチリに入ってきたという当局の報告が載っている。

この国には、南米中に再販売するために世界中から古着が積み込まれたコンテナが届いている。しかし需給のバランスは崩壊。その結果、39,000tのシャツ、ジャケット、パンツやその他ファッショングッズがたどった旅の終着点がこの砂漠となったわけだ。

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リサイクルの見通し

アルトオスピシオの最も貧しい地域の近くにあるこのゴミ捨て場には、転売できそうな服を求めて地元の人々がやってくる。残りのゴミはゆっくりと分解していくが、服に含まれる化学成分や合成繊維が土壌を汚染する。この現状に対処するため、EcoFibrasやEcocitexなど現地の民間企業が繊維のリサイクル・ソリューション部門を立ち上げ、新たな繊維を作り出したり、建築用に変換したりしている。

チリ政府は生産者に産業廃棄物の責任を負わせるEPR法(拡大製造者責任制度)を2016年に発布した。しかし、この法律の優先事項に繊維製品は含まれていない。7年たったいまも、砂漠に放置された洋服のゴミ問題は残念ながら未だに優先事項になっていない。

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text: Mitia Bernetel (madame.lefigaro.fr) translation: Hana Okazaki, Hide Okazaki

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