BWA Pitch Contest 2023 受賞者の思いを紹介 災害時の女性の安心を生み出すインナーウエアキット。

Society & Business 2023.09.29

日常の課題を解決し、美しく豊かな暮らしとよりよい社会を創りたい。そんな思いを持つ女性起業家たちがビジネスアイデアを発表するBWA Pitch Contest 2023。2回目となる今年はリアルイベントを開催、8組のファイナリストがビジネスに懸ける思いを語った。


Professional Award

事業性が期待でき、日常の課題解決に繋がるビジネスアイデアを選出。

株式会社ファンクション
本間麻衣(Mai Honma)

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1977年、茨城県常総市生まれ。4人の子どもを育てるシングルマザー。会社員を経て、2013年に起業しインナーウエアブランドを設立。15年、レスキューランジェリーを考案し、さまざまな被災地で支援を行っている。http://fanction-inc.jp/

「どんな時も、性による不利益を被らない世界を」

娘のファーストブラジャーの選択肢を増やしたいと、2013年にランジェリーブランドを立ち上げた本間麻衣。その2年後、社会的に意義のある商品をと開発したのが、どんな状況でも洗って干すことができるレスキューランジェリーだ。

防水性のバッグ、ショーツ、ブラジャー、布ナプキン、洗剤がセットになった商品で、バッグの中に水と洗剤を入れればどこでも洗濯できる。さらにバッグにはメッシュネットが付いていて、洗った下着を人目にさらすことなく干せるという配慮も。性被害のリスクもあるといわれる避難所で生活する女性たちに、清潔さと安心を提供してくれる。

熊本地震やウクライナ戦争などこれまで国内外の被災地にレスキューランジェリーを配布してきた本間は、「このプロダクトを通して、世界中の女性が性による不利益を被ることのない世の中を創りたい」と力を込める。

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230915-BWA2-02.jpg2019年の九州北部豪雨の際にも自ら避難所に赴きレスキューランジェリーを配布した。

230915-BWA2-03.jpgレスキューランジェリーのブラジャーとショーツ、布ナプキンには消臭効果のある竹布を使用しているという。

Q1. 商品を作ったきっかけは?

東日本大震災で被災し、1カ月以上着替えができなかった女性から、「自分の匂いや見た目にストレスを感じていた」と聞いたことが開発の大きなきっかけでした。

Q2. 今後の目標は?

現在は被災地に商品を無償提供していますが、災害が多発するいま、必要としているすべての人に届けるための仕組みを作りたいと、現在、財団の設立を目指しています。

Q3. 働くうえで大切にしている「美学」は?

朝起きたら走りに行くなど、日常生活のルーティンを大切にしています。小さなことでも「今日も実践できた」と思えると心が整い、1日気分よく過ごせます。

本間さんのピッチは19:33〜。

BWA Pitch Contest
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Business with Attitudeとは?
衣食住にまつわることなど、日常の豊かさや美しさを愛おしむフィガロジャポンが大切にしてきた「アールドゥヴィーヴル」の価値観を軸に、日本の女性の働き方をもっと多様に、豊かにしたいと2021年から始まったプロジェクト。3つの活動を軸に展開中。

230915-BWA-2022_1200.jpg2022年12月に開かれたBWA Award2022賞状授与式& 懇親会の様子。22年は森星をはじめ5人の次世代のロールモデルを表彰した。

BWA Award
誰もが日々の生活を大切にし、幸せを感じられる社会を。有識者審査員とフィガロジャポン編集部が、自身の美学や楽しみを大切にしながら、多様な働き方、暮らし方を実践し、社会によいインパクトを与える次世代ロールモデルを選出するBWA Award。2023年の受賞者は、2024年1月号のフィガロジャポン(11/20発売)にて発表予定。

BWA Pitch Contest
日常の課題を解決し、より豊かでより美しい明日をもたらすビジネスアイデアを募集し、発表してもらうビジネスコンテスト。事業の規模ではなく、その人がなぜビジネスを始めたのか、どんな思いが込められているのか、各人の起業の物語にフォーカス。2022年は6組のファイナリストのビジネスの発信をBWA事務局がサポートした。

Seminar & Workshop
毎月1回開かれる定例オンラインセミナー。よりよい明日を目指して多様な働き方を実践するゲストを招き、その人の活動、働き方に込められたアールドゥヴィーヴルにフォーカス。美しく豊かに働くヒントを提供し、女
性たちが集い、応援し合えるコミュニティの構築を目指す。「フィガロマルシェ」と連動したイベントも随時開催。

*「フィガロジャポン」2023年10月号より抜粋

photography: Mirei Sakaki

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