BWA Pitch Contest 2023 受賞者の思いを紹介 在日外国人女性の貧困と孤立を解消する飾り付けアイテムブランド。

Society & Business 2023.09.29

日常の課題を解決し、美しく豊かな暮らしとよりよい社会を創りたい。そんな思いを持つ女性起業家たちがビジネスアイデアを発表するBWA Pitch Contest 2023。2回目となる今年はリアルイベントを開催、8組のファイナリストがビジネスに懸ける思いを語った。


Dream Award

社会性があり、女性の課題解決に繋がりそうなビジネスアイデアを選出。

SOL LUNA

堀口安奈(Anna Horiguchi)

230915-BWA2-04.jpgコロンビア生まれ、兵庫県尼崎市出身。立命館大学卒業後、在日外国人支援NPO法人で勤務。大阪大学大学院に進学後、2018年、飾り付けアイテムブランドSOL LUNA(ソルルナ)を在日外国人女性らと設立。https://solluna-partydecorations.com/

「“好き”を生かして、新たな仕事を創出!」

コロンビア人の母を持ち、自身も在日外国人
女性の生活支援に長年取り組んできた堀口安奈。言葉の壁や不安定な雇用状況で、周囲と関係を築けず、貧困や孤独に直面する彼女たちの現状と子どもたちの未来を変えるためには、従来の支援という形にとらわれず、彼女たちが自立し自信を持てる新しい仕事を創り出す必要があると考えた。

注目したのは南米
のお祝い文化。家族の誕生日やコミュニティの
記念日にバルーンやペーパークラフトで飾り付けをして盛大に祝う在日外国人女性たちの特技に注目し、飾り付けアイテムブランドSOL
LUNAを立ち上げた。

現在はスタッフ6人でオーダーメイドの飾り付けアイテムを制作・販売
している。アイテムを購入した人の喜びの声が届き、同社のペルー人女性デザイナーは涙を浮かべこう語った。「日本に住んで15年、初めて日本社会に認められた気がする」

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230915-BWA2-05.jpg日本の市場でも受け入れられるよう、デザイナーと色味の研究を重ねている。

230915-BWA2-06-.jpgオーダーメイドなので、
子どもの名前などにも対応可。カスタマイズアイテムも豊富で、1度だけでなく何度も使えるのが特徴。

Q1. 事業を立ち上げたきっかけは?

飾り付けアイテムでいつか自分のブランドを立ち上げたい!という夢がありつつも、言葉の壁で諦めていたペルー人女性との出会い、そしてソーシャルビジネスの概念を知ったことが起業のきっかけになりました。

Q2. 今後の目標は?

私たちのブランドストーリーをもっと多くの人に知ってもらい、「飾り付けアイテムといえばSOL LUNA」と言われるようなブランドに成長すること。

Q3. 働くうえで大切にしている「美学」は?

在日外国人女性たちの現状を変える、という起業の原点を忘れないこと。過去の自分に誇れる選択をすること。

堀口さんのピッチは58:26〜。

BWA Pitch Contest
受賞者一覧を見る

BWA特設サイトへ

 

Business with Attitudeとは?
衣食住にまつわることなど、日常の豊かさや美しさを愛おしむフィガロジャポンが大切にしてきた「アールドゥヴィーヴル」の価値観を軸に、日本の女性の働き方をもっと多様に、豊かにしたいと2021年から始まったプロジェクト。3つの活動を軸に展開中。

230915-BWA-2022_1200.jpg2022年12月に開かれたBWA Award2022賞状授与式& 懇親会の様子。22年は森星をはじめ5人の次世代のロールモデルを表彰した。

BWA Award
誰もが日々の生活を大切にし、幸せを感じられる社会を。有識者審査員とフィガロジャポン編集部が、自身の美学や楽しみを大切にしながら、多様な働き方、暮らし方を実践し、社会によいインパクトを与える次世代ロールモデルを選出するBWA Award。2023年の受賞者は、2024年1月号のフィガロジャポン(11/20発売)にて発表予定。

BWA Pitch Contest
日常の課題を解決し、より豊かでより美しい明日をもたらすビジネスアイデアを募集し、発表してもらうビジネスコンテスト。事業の規模ではなく、その人がなぜビジネスを始めたのか、どんな思いが込められているのか、各人の起業の物語にフォーカス。2022年は6組のファイナリストのビジネスの発信をBWA事務局がサポートした。

Seminar & Workshop
毎月1回開かれる定例オンラインセミナー。よりよい明日を目指して多様な働き方を実践するゲストを招き、その人の活動、働き方に込められたアールドゥヴィーヴルにフォーカス。美しく豊かに働くヒントを提供し、女性たちが集い、応援し合えるコミュニティの構築を目指す。「フィガロマルシェ」と連動したイベントも随時開催。

*「フィガロジャポン」2023年10月号より抜粋

photography: Mirei Sakaki

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