BWA Pitch Contest 2023 受賞者の思いを紹介 粧(よそお)いで、アスリートに自信と力を。
Society & Business 2023.09.29
日常の課題を解決し、美しく豊かな暮らしとよりよい社会を創りたい。そんな思いを持つ女性起業家たちがビジネスアイデアを発表するBWA Pitch Contest 2023。2回目となる今年はリアルイベントを開催、8組のファイナリストがビジネスに懸ける思いを語った。
Audience Award
当日来場した観覧者が「あったらいいな」と感じたビジネスアイデアに投票。
今年は2組が選ばれた。
チームアスリートビューティー
花田真寿美(Masumi Hanada)
鈴木さやか(Sayaka Suzuki)
スポーツに打ち込むすべての女性が自信を持って目標を目指すことを応援したいと2020年に結成。メイク、栄養学、スポーツアロマなどさまざまな専門家が、粧いと内面の両方を磨くプログラムを提供している。http://precious-one.info/
「アスリートもメイクを自由に楽しめる文化を」
海外では自分らしくメイクして試合に臨む女性アスリートは増えているものの、日本では「競技に集中していない」など、メイクや美に関心のある女性を批判する風潮がまだまだ根強い。そんなスポーツ界の現状を変えたいと立ち上がったのがアスリートビューティーアドバイザーの花田真寿美だ。
2020年、パーソナルカラー診断士の鈴木さやかはじめ、トレーナーやスポーツ医らと協力してチームアスリートビューティーを創設。試合や表彰式に臨むアスリートへのヘアメイクやスポーツに打ち込む学生らへのメイクレッスン、栄養学やコンディショントレーニングなど、美を包括的に学べるサービスを提供する。
元アスリートだった花田自身、メイクを通して前向きに挑戦できるようになったひとり。「アスリートもメイクを自由に楽しめる文化を日本でも創っていきたい」と仲間とともに前進する。
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現役アスリートや部活生に向けたメイクレッスンも行っている。
「覚悟があるなら髪を切れ」と先輩に言われ、泣きながら髪を切ったという花田の学生時代。
Q1. 事業を立ち上げたきっかけは?
部則で髪を切ったものの結果が残せず、自信が持てなかった学生時代。メイクやおしゃれを通して前向きになれた卒業後の経験から、同じように悩む女性アスリートの役に立ちたい、と事業を立ち上げました(花田)。
Q2. 今後のビジネスの展望は?
アスリートビューティーアドバイザーの育成や企業とのタイアップイベント、レッスンを全国展開していきたい。
Q3. 働くうえで大切にしている「美学」は?
自分と人に誠実に生きること(花田)。「笑顔に勝る化粧なし」、好きなことや幸せを感じている時の笑顔を大切にしています(鈴木)。
チームアスリートビューティーのピッチは35:43〜。
衣食住にまつわることなど、日常の豊かさや美しさを愛おしむフィガロジャポンが大切にしてきた「アールドゥヴィーヴル」の価値観を軸に、日本の女性の働き方をもっと多様に、豊かにしたいと2021年から始まったプロジェクト。3つの活動を軸に展開中。
2022年12月に開かれたBWA Award2022賞状授与式& 懇親会の様子。22年は森星をはじめ5人の次世代のロールモデルを表彰した。
■BWA Award
誰もが日々の生活を大切にし、幸せを感じられる社会を。有識者審査員とフィガロジャポン編集部が、自身の美学や楽しみを大切にしながら、多様な働き方、暮らし方を実践し、社会によいインパクトを与える次世代ロールモデルを選出するBWA Award。2023年の受賞者は、2024年1月号のフィガロジャポン(11/20発売)にて発表予定。
■BWA Pitch Contest
日常の課題を解決し、より豊かでより美しい明日をもたらすビジネスアイデアを募集し、発表してもらうビジネスコンテスト。事業の規模ではなく、その人がなぜビジネスを始めたのか、どんな思いが込められているのか、各人の起業の物語にフォーカス。2022年は6組のファイナリストのビジネスの発信をBWA事務局がサポートした。
■Seminar & Workshop
毎月1回開かれる定例オンラインセミナー。よりよい明日を目指して多様な働き方を実践するゲストを招き、その人の活動、働き方に込められたアールドゥヴィーヴルにフォーカス。美しく豊かに働くヒントを提供し、女性たちが集い、応援し合えるコミュニティの構築を目指す。「フィガロマルシェ」と連動したイベントも随時開催。
*「フィガロジャポン」2023年10月号より抜粋
photography: Mirei Sakaki