ヴェルサイユ宮殿で結婚式を挙げたアメリカ人男性、警官に発砲した罪で終身刑に?
Society & Business 2023.12.16
11月中旬、アメリカ人カップルがパリとヴェルサイユ宮殿で盛大な結婚式を挙げ、SNSではすでに「世紀の結婚式」とも呼ばれている。しかし、新郎のジェイコブ・ラグロンは米国で起訴され、終身刑になる可能性もあることが判明した。
ヴェルサイユ宮殿で結婚したアメリカ人カップルは、深刻な問題に直面している。photography: Getty Images
純白の花嫁、しかし花婿は無垢ではなかったようだ。11月18日、アメリカ人カップルがヴェルサイユ宮殿で盛大な結婚披露パーティーを開いた。ところが新郎のジェイコブ・ラグロンは、米「ワシントン・ポスト」紙によれば、今年3月、警官に発砲して負傷させ、終身刑となるかもしれない事態に直面している。
ここ数週間、SNSで「世紀の結婚式」の豪華な映像を目にした人は多いだろう。専門家の試算によるとその費用は5,900万ドル。オペラ座ガルニエ宮を貸し切っての大宴会ディナー、シャネル店へのプライベート訪問、ヴェルサイユ宮殿での結婚披露宴パーティー。ジェイコブ・ラグロンとマデリーン・ブロックウェイの豪勢な結婚式の動画はSNSで拡散し、賞賛の声が上がる一方で、ここまでやるの? と困惑の声も多かった。この3日間のお祭り騒ぎは衝撃的だったものの、その後、ワシントン・ポスト紙をはじめとする米国メディアが報じたニュースはさらに衝撃的だった。新郎は刑務所で一生を終えるかもしれないというのだ。
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ウェストワース・ビレッジでの発砲事件
"いかなる時も彼に真心を尽くすことを誓いますか?" 新婦マデリーン・ブロックウェイはこんなにも早く、結婚の誓いが試されることになろうとは、思ってもみなかったに違いない。夢のような結婚式から2週間も経たないうちに、夫のジェイコブ・ラグロンはテキサス州フォートワースの裁判所に出廷、終身刑を言い渡されるかもしれない。事件はウェストワース・ビレッジで起こった。英「デイリーメール」紙によれば、ジェイコブとマデリーンは、同地に新婦の父親が用意した広い邸宅に住んでいた。3月14日、ふたりの邸宅内で発砲音らしきものがあったと近隣住民が警察に通報した。現場へ急行した3人の警察官がジェイコブに家から出て投降するよう呼びかけると、彼は警官に発砲し、怪我を負わせた。ジェイコブは最終的に逮捕勾留され、「公務員に対する加重暴行罪3件」で起訴された。4月になり、保釈金に相当する2万ドルを支払って釈放される。これで幕引きにはもちろんならず、11月30日に出廷しなければならないことをジェイコブは知っていたものの、それでも結婚式を決行した。
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謎は深まるばかり
ジェイコブは妻をだましたのだろうか。マデリーンはジェイコブが保釈中であることを知らなかったのだろうか。それとも、寛大な精神の持ち主として、彼にチャンスを与え、刑務所に行かずに済むかもしれない可能性に賭けたのだろうか。謎は深まるばかりだ。いずれにせよ、近日中には陪審員の評決が出るだろう。仏「リベラシオン」紙が掲載した起訴状の内容によれば、ジェイコブ・ラグロンは「「意図的かつ故意に、(警官に)差し迫った身体的危害が及ぶと脅し」、「暴行の際に殺傷能力のある武器、すなわち銃器を使用または見せた」そうだ。その後、テキサス州司法長官の事務所からは終身刑ではなく懲役25年という提示があった。いずれにせよ、ハリウッド映画にふさわしい展開だ。
text: Gaspard Couderc (madame.lefigaro.fr)