2024年のフランスBWAアワード、受賞者が発表!

Society & Business 2024.03.30


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2024年のフランスBWA賞に輝いたのは、スマート・イミューヌのカリーヌ・ロシニョル(左)。読者賞は、オン・ザ・ワイルド・サイドを立ち上げたアンヌ=ソフィ・ナルディ。オンライン投票で3554票を獲得した。 photography: Tomy Do / SayWho

女性の力がますます求められているサイエンスの世界。今年のフランスBusiness with Attitudeアワードの受賞セレモニーのソワレでは、サイエンスに向き合う女性たちのエネルギーがいつにも増して輝きを見せた。

春の訪れを告げる、2024年3月21日。会場となったパリのゲテ・リリックのホールは満員で、期待のさざめきに満ちている。複雑な現代に革新的な解決策を提供する女性起業家たちとの出会いを約束する、第8回マダム・フィガロBusiness with Attitudeアワードの夕べは、ポジティブな雰囲気の中でスタートを切った。

起業家、上級管理職やパートナー、ジャーナリストからなる17人の審査員は、「この2024年エディションは、2016年に始まったBWAの中でも、間違いなく最高レベル」と口火を切った。

さまざまな専門分野

健康の分野では、特にインパクトのある3社が注目を浴びた。 セシル・ブロッセが設立したソニオは、胎児の異常の発見に役立つ出生前診断ソフトウェアを開発している。カリーヌ・ロシニョルが代表を務めるスマート・イミューヌは、健康なドナーから採取した血液幹細胞を、免疫抑制患者の免疫力を高める治療用細胞に変えるという初のバイオテクノロジーに取り組んでいる。そして、ジャンヌ・トゥーレが立ち上げたソレラは、女性のための保健センターの新しい連合体を考案している。

この3つの有力候補に加え、ほかにも3つの注目すべきプロジェクトがノミネートされている。

ロール・クルティが設立したウェアシトは、空き倉庫やキャパシティの余っている倉庫を巧みに利用することで、クライアントの在庫を管理できるロジスティクスを展開。シャルロット・アローが共同設立したオムニは、車椅子にセットできる高性能で低価格の電動キックボードを発明し、障がいがある人々の移動手段に革命をもたらした。アンヌ=ソフィ・ナルディが設立したオン・ザ・ワイルド・サイドは、野生の植物を原料としたユニークなオーガニック化粧品シリーズを製造・販売している。

共通の価値観、それはインパクト。

今年のファイナリストたちのプロジェクトはどれも、例年にも増して、実用性と先鋭的なアングルを持ち、ポジティブなインパクトをもたらす爆発的なパワーに満ちている。フランス2030年計画を担当する投資担当事務総長で、昨年もBWAのパートナーを務めたブリュノー・ボネルは、この2024年の候補者たちのキャリアパスについて、「彼女たちは、誰よりも早く、そしておそらく女性であるがゆえに、ライフサイエンスに飛び込み、そこにある計り知れない可能性を見出すことができたのだと思う」と語った。

今年もファイナリストたちは、コーチであり女優でもあるマルティーヌ・ギヨーの指導を受けて、個人的なピッチの練習に臨んだ。それは、自分の行動を通してプロジェクトを語り、その行動を「私」という自分の言葉で語ることだ。

会場で、いよいよファイナリストたちのピッチが始まった。

残念ながら、ファイナリストの一人、ソニオのセシル・ブロッセが、出産直後のために辞退するという予期せぬ出来事もあり、ピッチの登壇者は5人。今シーズンの司会を務めた「マダム・フィガロ」誌編集部のソフィアーヌ・ゼズーヌは、セシル・ブロッセは今年の舞台から遠ざかるとはいえ、BWAコミュニティの一員であることに変わりはない、と告げた。

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高揚感あふれるパフォーマンス

5人の女性が次々とステージに上がる。それぞれに、綿密で個性あふれるピッチを披露し、ステージに並んだ審査員からの質問に回答した。

最初に登壇したのは、ソレラのジャンヌ・トゥーレ。元ビジネス弁護士だった彼女が、女性のための、そして女性とともに歩む医療事業に転換していくエネルギーが語られていく。

続いてシャルロット・アローが車椅子用に改造された電動キックボードを用いてデモンストレーションを行った。彼女の数字(電動車椅子が最低5000ユーロはするのに比べ、1000ユーロの価格)と、「このスクーターを公道に持ち出せば、人々の障がいに対する見方が一変することをわかってほしい。人々は車椅子を忘れるんです」という言葉には説得力がある。

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第8回BWA授賞式での、オムニの共同創始者シャルロット・アロー。彼女は数週間後にオリンピックトーチのランナーも務める。photography: Tomy Do / Say Who

次のスピーチはカリーヌ・ロシニョール。スマート・イミューヌの共同設立者である彼女は、複雑な科学的問題を巧みに解説した。彼女のバイオテクノロジー企業の目的は、「いつの日か、がんと闘うために化学療法を必要としなくなる」こと。免疫不全患者の胸腺を経由して作用する「Tリンパ球前駆細胞」と呼ばれる新しいタイプの "戦闘"細胞の開発には、長く危険な、そして技術的な道のりが待ち受けている。競争は国際的だ。このテーマの厳しさを伝える言葉に、会場中が聞き入った。

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スマート・イミューヌの共同創始者で経営責任者のカリーヌ・ロシニョル。3月21日のBWA授賞式の舞台にて。photography: Tomy Do / Say Who

オン・ザ・ワイルド・サイドの創始者アンヌ=ソフィー・ナルディは、聴衆をアウトドアの世界、プロダクトを作るのに必要な野生の植物の世界へと誘った。その挑戦は具体的かつ的を射たもの。女性たちが皮膚から摂取している大量の有害な製品に立ち向かうことだ。

最後を華々しく締めくくったのは、ウェアシトの代表ロール・クルティ。彼女は、わずか8分間で、フランス(それはやがてヨーロッパに広がる予定)の空き倉庫や十分に利用されていない倉庫を利用し、最適化されデジタル化された保管ロジスティクスを導入する必要性を会場全体に納得させてしまった。27歳で事故に遭ってクライミングを断念したという彼女は、このプロジェクトですでに400万ユーロ以上の資金を調達している。彼女が言うように、「よく整備されたロジスティクスがなければ、『マダム・フィガロ』をキヨスクに並べることはできない」のだ。

選ぶこと、それは審査員の仕事だ。サルトルが残した「選ぶことは発明することだ」という言葉は、まさに、「マダム・フィガロBusiness with Attitude 2024」の受賞者のためのもの、といえそうだ。スマート・イミューヌのカリーヌ・ロシニョルは、「ちょうどいいタイミング」と表現しつつ、堂々とアワードを受け取った。アーティストのリゾン・ド・コーヌがデザインしたトロフィーを、「マダム・フィガロ」総編集長のアンヌ=フロランス・シュミットが授与。彼女は、この賞が大切にしている概念である「長期にわたる業績」を強調した。

審査員の特別賞

セレモニーには、もうひとつのサプライズがあった。シャルロット・アローのスピーチとオムニの電動キックボードの独創性に感嘆した審査員が、特別賞を授与すると決定したのだ。

一方、3週間のオンライン投票の結果、3,554人の投票を集めて読者賞に選ばれたのは、健康的なスキンケアを提案するアンヌ=ソフィ・ナルディのオン・ザ・ワイルド・サイドだった。

セレモニーでは、南極圏をクロスカントリーで走破するなどで知られる冒険家のステファニー・ジケルもスピーチを行った。長い目で見ること、未知の土地を探検すること、そして自分を超えることの価値を知っている冒険家。そのスピーチは、自身の並外れた旅と女性起業家の決意と回復力を結びつけた感動的なものとなった。

この日、アワディーのカリーヌ・ロシニョールが会場を後にしたのは、午前0時頃。翌朝6時45分からは、BWAのパートナーであるテレビ局BFM Businessの番組「Good Morning Business」のスタジオで、自身のプロジェクトを語った。彼女のパワー、その勢いは衰えを知らない。

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第8回 フランス Business with Attitude賞 授賞式

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フランスBusiness with Attitude 2024の5人のファイナリストたち。photography: Tomy Do

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ソレラの共同設立者であるジャンヌ・トゥーレは、文化・知識部門でノミネート。photography: Karla Vinter-Koch

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パリのゲテ・リリックで行われたファイナリストのプレゼンテーションに耳を傾けるオーディエンス。photography: Karla Vinter-Koch

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編集部のソフィアーヌ・ゼズーヌと「マダム・フィガロ」ビジネス担当編集長のモルガン・ミエル。photography: Karla Vinter-Koch

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Bpiフランスのメディア・SNSディレクターのエステル・バスト。photography: Karla Vinter-Koch

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審査員の質問に答えるオムニの共同設立者シャルロット・アロー。photography: Tomy Do

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「マダム・フィガロ」の総編集長、アンヌ=フロランス・シュミットが、スマート・イミューヌのカリーヌ・ロシニョルに2024年のBusiness with Attitude賞を授与。photography: Karla Vinter-Koch

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2024年のBusiness with Attitude賞を受賞したスマート・イミューヌのカリーヌ・ロシニョル。photography: Karla Vinter-Koch

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lefigaro.fr編集ディレクターのジャック=オリヴィエ・マルタンとEY監査シニアマネージャーのエマニュエル・ラツィミアラヴァホアカ。photography: Karla Vinter-Koch

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Engieグループの市民社会担当ディレクターで、フランスの諮問機関「オート・コンセイユ・ア・レガリテ」のメンバーであるエリザベット・リシャールと、ConnectHers BNPパリバ・フランスの企画、センター担当ディレクターのロール=エマニュエル・フィリー。photography: Karla Vinter-Koch

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スマート・イミューヌで2024年のBusiness with Attitude賞を受賞したカリーヌ・ロシニョール(左)。オン・ザ・ワイルド・サイドの創設者であるアンヌ=ソフィ・ナルディは、オンライン投票で3554票を得て、読者賞を受賞した。photography: Tomy Do

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デル・テクノロジーズのメディア&戦略担当インターナショナル・ディレクター、シルヴァン・ブローシュと、エリザベス・アーデン・フランスのマーケティング・ディレクター、オーレリー・カスコーズ。photography: Karla Vinter-Koch

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司会を務めたソフィアーヌ・ゼズーヌ。photography: Karla Vinter-Koch

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エクスペリエンスド・キャピタルとドメーヌ・ドゥ・フォントニーユの共同設立者で審査員のフレデリック・ビウース。photography: Tomy Do

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ファイナリストのウェアシトの創設者ロール・クルティとネスプレッソ・フランス副社長で審査員を務めたナタリー・ゴンザレス。photography: Karla Vinter-Koch

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ファイナリストたちのスピーチ・コーチを務めた女優のマルティーヌ・ギヨー。photography: Tomy Do

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ビジネス担当編集長のモルガン・ミエル、マダム・フィガロ担当企画責任者のアンヌ・ピカンと副責任者のローラ・プルアール、「マダム・フィガロ」の総編集長、アンヌ=フロランス・シュミット。photography: Karla Vinter-Koch

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審査員による審議。photography: Karla Vinter-Koch

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フランス陸上チームのメンバーで、ウルトラディープ世界選手権で準優勝したステファニー・ジケルが、ゲテ・リリックのステージに立った。photography: Karla Vinter-Koch

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第8回Business with Attitudeアワードの受賞者、候補者、審査員。photography: Karla Vinter-Koch

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「マダム・フィガロ」社会・カルチャー担当編集長のヴィヴィアンヌ・ショカと、ODDO BHFチームマネージャー、レディースバンク共同設立者で審査員を務めたアリックス・ドゥ・ランティ。photography: Karla Vinter-Koch

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Docaposte InstituteおよびLa Poste GroupのフランスIoTスタートアップアクセラレーターのマネージングディレクターで審査員のヴァネッサ・ショクトー(中央)。photography: Karla Vinter-Koch

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FRANCE2030投資担当事務局長のブリュノー・ボネル。photography: Tomy Do

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結果発表を待つファイナリストたち。photography: Tomy Do

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「マダム・フィガロ」編集長代理のジョゼフ・ゴーンと「MEDIA.figaro」代表のオロール・ドモン。photography: Tomy Do

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賞の発表に沸き立つ観客。photography: Tomy Do

Text: Viviane Chocas(Madame Figaro)

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