18歳以下はTikTok禁止!? フランスのデジタル専門家の報告書が話題に。

Society & Business 2024.05.04

フランスのエマニュエル・マクロン大統領が1月に依頼した報告書は、「子どもたちのネットの過剰使用とそれが彼らの健康、発達、そして将来に与える影響」について警告し、多くの抜本的な対策を提言した。

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専門家たちは、少なくとも13歳まではスマートフォンでのネットアクセスを禁止することが望ましいと考えている。photography: Keiko Iwabuchi / Getty Images

今年1月、フランス政府が依頼した専門家による新たな報告書の内容が、4月29日、複数の地域紙に掲載され、子どもたちのネット使用に警告を促した。10名からなる委員会は、数カ月にわたる作業の末、3歳未満の子どもにはデジタルツールを、11歳未満の子どもには携帯電話を禁止するよう勧告した。専門家はまた、13歳未満の子どもにはスマートフォンでインターネットを利用させるべきではないと助言している。AFP通信が報道したように、この報告書の目的は、「親を指導することであり、法律による制約を課すことではない」と執筆者のひとりが説明した。

そのため、SNSは禁止されることになる。専門家たちは、15歳から「倫理的」なアプリのみをインストールすることが好ましいと考えており(具体的なアプリ名は明示されていない)、TikTok、Instagram、SnapchatのようなSNSにアクセスすることは18歳以降が望ましいとしている。フランスの地方紙『ヴォワ・デュ・ノール』が掲載した報告書の内容によると、「極端に聞こえるかもしれないが、私たちの社会、文明、そして人類の未来にとって不可欠な提言である。3ヶ月の作業の末、専門家たちは子どもたちのネットの過剰使用の現実と、彼らの成長、発達、将来、そして私たちの将来への影響を説明しなければいけないと確信した......」と説明している。

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うつ病、近視

専門家たちは、ティーンエイジャーの不安やうつ病の原因はSNSであることを確信している。また、デジタルツールの使用が睡眠不足、運動不足(肥満の原因)、近視などの悪影響を引き起こすことにも一致した見解を示した。彼らは、「特にうつ病や不安といったメンタルヘルスの問題において、SNSの使用は、元々心に問題を抱えている場合にはリスク要因となる。(中略)デジタルツール自体は注意欠陥障害や自閉症スペクトラム障害などの神経発達障害の原因ではないものの、過度に使用することで症状が悪化する可能性があるため、注意が必要」と続けた。

専門家グループは、「無限フィード」や「動画自動再生」といったSNSが提供する特に中毒性のある機能に対処する意向を明確にしている。また、ペアレンタルコントロールを向上させるため、これらのアプリ内で多くの設定ができるようにすることも目的にしている。フランスの日刊紙『ウスト−フランス』の取材に対し、本委員会の共同議長であるアミン・ベニャミナ氏は次のように述べた。「認知バイアスを利用して、子どもたちを画面に引き込み、コントロールし、再び引き戻し、そして収益化する。これは、親が手を出しにくいアテンションエコノミーであり、社会全体に広がった市場に対して親はほとんど何もできない状況に陥ってしまう。」

著者たちは改めて、この報告書は、家庭内でのこのような措置を押し付けることを目的としておらず、家庭内でのこれらの取り組みの実施には困難が伴うことを認識している。彼らによれば、この報告書はむしろ、支援として受け取られるべきだと述べている。「子どもたちに対し、『問題を考え、その分野に詳しい人たちがこんなことを支持しているよ』と伝えてあげることで、子どもたちと話し合うきっかけ作りができる」と専門家は強調した。おそらくそのような話し合いをするだけでも意識は少しずつ変化していくだろう。

text: Léa Mabilon avec AFP (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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