女性が「なりたい私」になれる場所を東広島に。BWAピッチコンテスト出場者によるクラウドファンディング受付中。

Society & Business 2024.10.04

フィガロジャポンBWAピッチコンテスト2023で、東広島市の元呉服店の実家を女性向けのシェアオフィスとして活用したいというアイデアを発表した田村かすみさんが、このほど、その実現のためのクラウドファンディングをスタート。10月31日まで支援を受け付けている。

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故郷の東広島市に女性に向けたシェアオフィスのオープンを目指す田村かすみさん。

兵庫県西宮市で教員をしながら、2017年に学生の大学受験や就職活動をサポートする「春霞塾」を立ち上げた田村さん。実家は東広島市で80年続く呉服屋だったが、時代の波に押され2011年に廃業。23年7月に開催されたフィガロジャポンBWAピッチコンテスト2023にて、空き家となっている実家の2階部分を活用し、地元の女性たちが起業や学業などにチャレンジできるシェアオフィスを創りたい、というアイデアを発表した。

 

2023年7月13日に開かれたフィガロジャポンBWAピッチコンテスト2023にて、女性のためのシェアオフィスのアイデアを発表した田村さん。

当初、「保守的なこの街で、そんなことができるはずがない」と家族に反対されていたというが、BWAピッチコンテストに出場し、審査員や会場からの後押しを受けたことによって、「私がやってもいいんだ」と挑戦することを決意。ピッチコンテスト出場の1カ月後、東広島市が運営する共創型起業プログラム「円陣」に応募し、約5カ月のプログラムをとおして、事業内容のブラッシュアップや地元でのネットワークづくり、テストマーケティングなどを行ってきた。

そして24年8月、地元の協力者たちと一緒に、一般社団法人ダイナミック・ヘリテージを設立。市役所や地元企業、教育機関などと連携しながら、「シェアオフィス来音(くるね)」の25年4月のオープンを目指す。

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シェアオフィスとして生まれ変わる田村さんの実家。
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かつては、「蔵田呉服京染店」として女性が美を楽しむサロンだったという。

シェアオフィスには、女性たちが気軽に立ち寄れるトークルームや作業スペース、キャリアカウンセリングなどが受けられるカウンセリングルームなどを設置予定。ただの"ハコモノ"としてのシェアオフィスではなく、東広島に住む女性が声にならないモヤモヤを吐き出し、自分の選択肢や可能性を知り、互いに応援し合える場所に育てていきたいと考えている。

「地域には子育てや家事に追われ、自分と向き合う時間がなかなか見つけらずにいる女性が少なくない。そんな人たちが、さまざまな選択肢に触れ、自分の可能性に気付き、挑戦を応援し合える場所にしたい」と田村さん。東広島市で3歳の息子を育てながら、ダイナミック・ヘリテージの広報を担当する松浦佳菜子さんは、「自分の気持ちや状況を共有できる仲間がいないと悩み、居場所を探している女性は東広島市だけでなく全国にいると思う。今回のクラウドファンディングをとおして来音の思いを発信し、来音と似たような思いを持つ場所や人と繋がっていきたい」と語る。

クラウドファンディングは10月31日まで。目標額は100万円。集まった費用は、実家の空きスペースをシェアオフィスとして活用するためのリノベーションに使われる。このクラウドファンディングにこめる田村さんや松浦さんらの思いを、ぜひクラウドファンディングのサイトでチェックして。

>>「シェアオフィス来音」のクラウドファンディングサイトへ。

portrait: Mirei Sakaki text: Toshiko Fujimoto (madamefigaro.jp)

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