AMERICAN EXPRESS 愛されるブランド、どうつくる? 平野紗季子のトークセミナーが開催。
Society & Business 2025.12.12
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フードエッセイスト・フードディレクターで、菓子ブランド「ノーレーズンサンドイッチ」の代表を務める平野紗季子さんを迎え、愛される商品やお店のブランドづくり、届け方について学ぶトークセミナーが11月14日、W大阪で開かれた。全国のショップオーナーやこれからブランドを立ち上げたいと考える約100人が参加したイベントの様子をレポート。
「平野紗季子氏と考える、愛されるブランドストーリーの届け方」アーカイブ動画。*動画の無断転載、複製、編集などはお控えください。
セミナーは、クレジットカードをはじめ、さまざまなサービスを全世界で展開するアメリカン・エキスプレスとの共同企画。アメリカン・エキスプレスは、街の魅力を支える小規模店舗を応援し、地域の活性化を目指す取り組み、SHOP SMALLを2017年から日本で展開している。その一環として、小規模店舗のビジネスオーナーの悩みやニーズに寄り添い、店舗づくりの未来に役立つ学びの場を提供している。
ゲストは、フードエッセイストとして活躍し、2018年から菓子ブランド、「ノー・レーズン・サンドイッチ」を展開する平野紗季子さん。子どもの頃からレーズンが大嫌いだった彼女だが、周りの人が幸せそうにレーズンサンドを食べている姿を見て、「レーズン以外の果実が挟んであるサンドを食べてみたい」と、ブランドを立ち上げた。
立ち上げ当初は、菓子店の一角を間借りして販売する小さなビジネスだったが、21年に法人化、25年3月には東京駅構内のグランスタ東京に初の実店舗をオープン。同年5月には朝の情報番組で「東京駅で本当に喜ばれるお土産」第1位に選ばれるなど、多くの人に愛されるブランドへと育っていった。
小さなビジネスが故に広告費を割けない状況だったが、「自分が食べたい、作りたい、届けたい」という"極めて個人的な欲望"を大切にしたことが、結果的に多くの注目を集めるきっかけになったのではないかと平野さんは振り返る。

平野さんが展開する「ノー・レーズン・サンドイッチ」。レーズンが入った「イエス・レーズン・サンド」、レーズン以外の果実やフレーバーが楽しめる「ノー・レーズン・サンド」をセットにして販売している。
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ブランドをつくる上で平野さんが大切にしているのが、「おいしくあること、かわいくあること、アイデアフルであること」。おいしくて、デザインにこだわるのはもちろん、「人に言いたくなるきっかけになりそうな要素をひとつでも添える」ことを心がけている。25年にオープンした実店舗のカウンター内にもカプセルトイを設置。「ガチャが内蔵されたカウンターのお菓子屋さん」と話題になり、買い物に来た人たちを喜ばせているという。
ブランドを届ける上でも、"なるほど"より"まさか"を大切に、さまざまな企画やコラボレーションを実現してきた。
「私は、ブランドは『自分の夢を叶えるフィールド』だと思っている。できそうもないことを、頭を捻って考えて、現実のものにしていく。大変なことも含めて、ブランドが育っていく過程はとても大事だと思っています」

熱心にメモをとりながら平野さんの話に聞き入る参加者も。後半の質疑応答では、商品を販売・販売している人や店舗を経営している人のブランディングや発信の悩みに、平野さんが一つずつ丁寧に回答していた。
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「私は一お客さんとしても、お店をやっている方がどんな思いで店を開けていらっしゃるのか、そういったストーリーに心が動くタイプなんです」と平野さん。だからこそ、ブランドを届けるためには、商品そのものだけではなく、その背景にある過程をシェアすることも重要だと話す。
「ブランドを育てていく過程で、どんな苦労があって、何がうまくいったのか、いま何が希望で、何がつらいのか、伝われば伝わるほどいいと思います。オーナーさんの顔が見えたり、思いを発信していたりする方のブランドには愛着が持てる。忙しくて途中で発信をやめてしまう人も多いかもしれませんが、思いをシェアすることの価値は案外大きいのではないかと思っています」

セミナー後には懇親会も開かれ、参加者が平野さんと言葉を交わした。ショップやブランドを経営している参加者には、「一緒に頑張りましょう!」と平野さんから温かいコメントも。
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大きな岐路に立った時には、「自分自身がこのブランドのいちばんのファンでありたい」という思いを軸に決断を下してきたという平野さん。7年かけてブランドを成長させてきた時間は、大切な思い出だったと振り返る。
「成長はゆっくりでいいんじゃないかと思っています。部活のように始めて、実店舗ができたのが7年目。普通のビジネスで考えたら長いスパンだけれど、ゆっくりやっていかないと、思い出にはならないから」
ブランドを立ち上げたり、店舗の責任者になると、つらいことを共有できず、孤独を感じることもある。それでも「全国に同じように頑張っている仲間がいる」と励まされるという平野さん。会場に集まった参加者に向かって「みんなで支え合っていきましょう」とエールを送った。

hair & makeup: Yukari Kawagishi(Luck.) photography: Ami Harita




