山手のレトロな洋館で味わう、おいしいデザート。

古きよき時代を偲ばせる空間のなかで、口の中でホロリととろける手作りのおいしい味、横浜生まれの「プリン・ア・ラ・モード」を。

上品な調度品でまとめられた2階のレストラン（写真）ではフレンチのコース、1Fにはカジュアルなカフェとして気軽に使えるのが、創業当初からのスタイル。

山手エリアは、外国人居留地の薫りをいまも色濃く残す場所。心地よい森に覆われた穏やかな丘には、西洋館や庭園、学校に外国人墓地が点在する。見晴らしのいい丘の頂上付近に佇む2階建ての洋館が「山手十番館」だ。

1967年に「明治100年」を記念して建てられたレストラン&カフェは、昨年で50周年を迎えた。広い敷地にはバラが咲き誇る庭があり、隣には明治期の木造西洋建築が資料館として残されている。

そんなレトロな雰囲気をより一層味わうことができるのが、創業当時からの人気メニューという「プリン・ア・ラ・モード」。脚付きのガラス器で供される、色鮮やかなフルーツとバニラアイス、ウエハースが中央のプリンを華々しく飾っている。バニラの粒が残る風味豊かなカスタードプリンは、期待を裏切らないおいしさ。戦後、この街に暮らしていた米軍将校の妻たちが喜んで食したというデザートを、穏やかに流れる当時の余韻とともに。

カフェの看板メニュー、クラシックな「プリン・ア・ラ・モード」￥648。昭和レトロな風貌をしつつも、その上品な味わいはフレンチレストランならでは。

2階建ての美しい建物は、元町・山手の洋館巡り散歩のルートに加えたい。窓からは緑豊かな山手公園や風情ある外国人墓地など、素晴らしい景色が見渡せる。

気軽なカフェとしてだけでなく、記念日のランチやディナーデートなど、何度でも訪れたくなる場所。庭園では夏季限定のバーベキュー付きビアガーデンも開催中。