計算し尽くされた焼き具合、喉越しのいい冷えた酒。カウンターで味わう小さな焼き鳥店で、街歩きの締めくくりを。
それぞれに旨味を閉じ込めた絶妙な焼き具合。上から、プチトマト、ササミ、つくね(各¥300)。スパイシーで爽やかなベルギー産のビール「ヒューガルデン」が、ぐいぐいと進む。
“リセンヌ小路”という愛らしい呼び名がつくJR石川町駅の裏通りの一角に、美食家たちを惹きつけている焼き鳥とワインの店がある。店内はカウンターのみで、メニューはねぎま、つくね、ササミ、ぼんじりなど定番の焼き鳥から、季節の野菜、ラム、アプリコットやイチジクまでと幅広い。
どれも塩ベースで、冷えたビールやワインがよく合う。最初の一杯は、珍しいヒューガルデンの生ビールをぜひ。表面はカリッと中は肉汁が出るほどジューシーなつくねは、軟骨の歯触りが絶妙。赤身を少しだけ残したササミの焼き加減も計算し尽くされている。ワインはブルゴーニュやローヌなど、焼き鳥に合うラインナップが多数揃う。
元歯科技工士という店主が六本木の名店で修業し、この地に店を構えて12年。2015年にミシュランガイドに掲載されてもなお、ひとり焼き鳥と真摯に向かい合う姿勢は、丁寧に焼き上げられた一本一本の串にしっかり表れている。
とろけ出すラクレットチーズと、甘いデザートのような感覚のイチジク(各¥300)。どちらも、ワインとのハーモニーは完璧だ。
カウンターのみの小さな店内は、ヨーロッパのビストロのような落ち着いた空間。目の前で焼かれた焼き鳥を、アツアツのうちに頬張りたい。
ワインバーのようなしゃれた佇まい。「トリロメオ」の店名は、車好きという店主の愛車から採ったという。
INFORMATION
Toriromeoトリロメオ
横浜市中区石川町1-15-6
045・662・9121
石川町駅(JR根岸線)
17時〜23時 休)火 予約したほうがいい
AMEX、DINERS、JCB、MASTER、VISA
photos: MAYUKO EBINA, réalisation: MIKI SUKA
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