いま行くべき酒処。 千葉で味わう、日本生まれのフルーツブランデー。
Travel 2019.08.17
土地の風土を生かしたクラフトスピリッツが大ブーム。日本のボタニカルで造られた蒸留酒を味わってみよう。
ミトサヤ薬草園蒸留所(千葉県・大多喜)
念願のファーストリリースは「ミカン」、「チョコ&ミント」、レモンの果実にレモンバーベナやレモングラスなどのハーブを加えた「レモンぽい」、「梅の花のグラッパ」、「フィグ」の5種類。「チョコ&ミント」はマダガスカル産オーガニックチョコレートと鴨川の農業法人が有機栽培するチョコレートミントを使用。1本¥1,944〜¥2,592
「自然をぎゅっと凝縮してそのエッセンスを取り出すという、蒸留の奥深さに魅せられた」というのは、ミトサヤ薬草園蒸留所のディスティラー、江口宏志さん。ドイツはスティーレミューレ蒸留所で蒸留を学んだ後、日本の果実や植物を使ったボタニカルブランデー造りを志して帰国。千葉県大多喜町の薬草園跡地で自らの蒸留所をスタートした。今年3月には念願のファーストボトルをリリース。原料の旬によってラインナップが変わる日本生まれのボタニカルブランデーは、月に一度開催される蒸留所公開でテイスティングできる。
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5000坪の広大な敷地には、蒸留と熟成を行うメイン棟とは別にテイスティング棟を設けた。植物園の温室をそのまま利用。
タンクでミツマタの花を浸漬中。糖度の低い原料の場合は数週間〜数カ月間、ベースアルコールに浸漬した後に蒸留する。
テイスティング棟にはバーカウンターが。蒸留所公開日にはゲストバーテンダーを招いてカクテルを振る舞うことも。
蒸留機は1990年代に製造されたドイツの名門蒸留機メーカー、コーテ社製の150リットルのコラムスチルを採用。
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原料の個性や風味を損なわないよう、ガラスボトルで熟成。小さな容器はよりダイナミックな経年変化をもたらす。
園内には果樹園やエディブルファーム、アブサンの原料を植えたアブサンフィールドが点在する。季節の花も見どころだ。
蒸留カスを利用したキャンドルを販売。左からメルロー、ミカン、ミント。火を灯すとほのかに香る。1本¥1,944〜¥2,592
Mitosaya Botanical Distillery
千葉県夷隅郡大多喜町大多喜486
tel:0470-64-6041
一般公開日:月1回(第3日曜、7〜8月は休み)
http://mitosaya.com
※『フィガロジャポン』2019年7月号より抜粋
※この記事に掲載している商品・サービスの価格は、2019年8月時点の8%の消費税を含んだ価格です。
photos : YASUO YAMAGUCHI, réalisation : RYOKO KURAISHI