いま行くべき酒処。 世界初! 温泉旅館がワイナリーをスタート。
Travel 2019.08.19
ワイン用ブドウの生産量日本一を誇る長野県では、ワイン+温泉のワインツーリズムが楽しい。
ジオヒルズワイナリー(長野県・小諸)
“ジオ”とはベトナム語で風の意味。標高800mの御牧ヶ原台地は四方から風が吹き抜け、ブドウが嫌う湿気を飛ばす。
昨秋、小諸市にオープンしたのは、中棚荘が手がけるジオヒルズワイナリー。御牧ヶ原台地にあるワイナリーは間近に浅間山の山容を望む絶好のロケーションにあり、1階が醸造所、2階がカフェとショップスペースになっている。中棚荘は2002年からワイン用ブドウの栽培に着手しており、委託醸造でオリジナルワインを造ってきた。現在は強粘土質の土地に1年かけて仕込んだ堆肥を用いてピノ・ノワールほか全5品種を育て、自家醸造に取り組んでいる。今後、強化していくというシャルドネとピノ・ノワールを使ったスパークリングにも期待が高まる。
左は「中棚シャルドネ」、右は「中棚メルロー」各¥3,607。初の自社醸造では培養酵母を使ってシャルドネ、メルロー、ピノ・ノワールを仕込んだ。今年の仕込みでは野生酵母にもトライする予定。
カフェで提供するのは、オーナーが「第2の故郷」と話すベトナムの料理を中心に、ワインと合うようアレンジしたエスニック料理だ。左は「風の丘プレート」、右は「ガパオ風信州牛のそぼろご飯」各¥1,080。ワインはグラス¥529〜
Gio Hills Winery
長野県小諸市山浦富士見平5656
tel:0267-48-6422
営)10時~16時
不定休
ランチ:営)11時30分~14時L.O.
休)月~木
http://giohills.jp
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文豪が愛した宿で、小諸のテロワールを楽しむ。
中棚荘(長野県・小諸)
昔の大名風呂を連想させる造りがユニーク。10月から5月頃の季節限定で、島崎藤村の「初恋」にちなんだリンゴ風呂が登場する。露天風呂は自家源泉の掛け流し。
島崎藤村は教師時代に小諸に赴任し、7年ほどをこの地で過ごした。当時、足繁く通ったのが中棚荘で、「千曲川旅情の歌」にも千曲川の“岸近き宿”として詠んでいるほど。明治31年に開湯したここ中棚荘では、宿を訪れるゲストを地元ならではの食でもてなしたいと、小諸のテロワールを表現するワイン醸造を2007年から行っている。ワイン特区に認定された小諸東御地区には小規模なワイナリーが点在しているのだが、今後はジオヒルズワイナリーやそのほかのワイナリーと協働して、小諸、さらには長野のワインツーリズムを盛り上げていくそう。
快適に滞在できる新館の和洋室。
秘湯のムードが色濃い中棚荘。近隣には重要文化財の小諸城三之門もある。
Nakadanasou
長野県小諸市乙1210
tel:0267-22-1511
全27室 バスタブ付き6室
和洋室1名¥22,140~(1室2名、2食付き)、和室1名¥16,956~(1室2名、2食付き)
https://nakadanasou.com
※『フィガロジャポン』2019年7月号より抜粋
※この記事に掲載している商品・サービスの価格は、2019年8月時点の8%の消費税を含んだ価格です。
photos : YASUO YAMAGUCHI, réalisation : RYOKO KURAISHI