どう遊ぶ? 東京ホテル最新レポート。#01 花街の旧家を愛でる、東京の新しい楽しみ方。

Travel 2019.12.28

トランクハウス|神楽坂

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元料亭かつ芸者の稽古場だった古い建物の面影を、そのまま生かしたトランクハウスの外観。

いまも花街の風情を色濃く残す、神楽坂の路地裏かくれんぼ横丁。石畳の街並みにひっそりと佇むトランクハウスを、ひとくくりにホテルと呼ぶには少し違和感がある。それはむしろ、貸し切りで好き勝手に使える一軒家。それも腕自慢のプライベートシェフと、いつでもわがままにこたえてくれるプライベートバトラー付きの。この“ホテル”は、関わるクリエイターの顔ぶれがおもしろい。建築、内装を含む全体のディレクションを手がけた野村訓市のトリップスターをはじめ、植物のディレクションにオリザ、ドリンクのディレクションには国内外のフードイベントで活躍する大橋直誉を起用。日本の伝統文化を身近に感じながら、海外のインテリアをほどよくミックスして堅苦しさをなくした、時代に合ったおもてなしが表現されている。築約70年の古民家で、文字どおり隠れ家のような雰囲気にわくわくしながら泊まるのもいい。和の食材をフレンチの技法で仕上げたフルコースを味わいながら、友人と贅沢なパーティを楽しむのもいい。自由に遊ぶのがトランク流だ。

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2階にはメインのベッドルームに加え、茶室、リビング、バスルームがある。

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山路の看板をそのまま残したエントランスは、昔ながらの街並みに静かに溶け込んでいる。バトラーがお出迎え。

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1階のダイニングルームから見える庭は、四季だけでなく、一日の中でも刻一刻とその表情を変えていく。

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朝食は土鍋で炊いた福井の米いちほまれとともに、シェフが厳選したご飯に合う9種のおかずが提供される。ノドグロの炭火焼き、ウニ、キャビア、イクラ、カラスミと、贅沢なラインナップに驚くほどご飯が進む。

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玄関口では、陶芸家の桝本佳子が手がけた陶器の作品がゲストを迎える。建物の改修工事前まで置いてあったという三味線をモチーフに、稽古場の名残をいまに伝えている。

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ヒノキの香りでいっぱいになった2階の浴室の壁面には、絵師の石川真澄がタイル絵『今昔 東都名勝巡』を描き下ろした。張交絵という浮世絵の様式に春画のモチーフを取り入れた、一度見たら忘れられない作品に仕上がっている。

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和と洋の設えが渾然一体となった2階のリビングルーム。机と椅子はロサンゼルスを拠点に活動するデザイナーのステファン・ケン、照明はセルジュ・ムーユやジャン・プルーヴェの作品を使用。

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トランクハウスのウェルカムドリンクは、2階の茶室でバトラーが厳かに点てた抹茶。

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夕食に供されるメニューの一例。この日はスッポンの炭火焼きと、川岸畜産の最高級神戸牛の牛カツ。スッポンは腕とモモの肉をシンプルに塩焼きしたものにスダチを搾って。絶妙な火入れで中はしっとり、外はサクサクに仕上げた牛カツには、バルサミコ仕立ての自家製ウスターソースを添えて。貸し切りで、ディナーのみの利用もできる。

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寝室に用意されたパジャマは、世界初のステテコ研究所、ステテコドットコムとともに制作したインド綿のオリジナルセットアップ。そのほかアイテム類は、エンダースキーマなどのジャパンブランドと作ったオリジナルプロダクトを使用。

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1階の一室には、防音のラウンジスペース、日本一小さな“ディスコ”が。ウィスキーやカクテルを飲みながら、夜通しカラオケを楽しむこともできる。

TRUNK(HOUSE)
トランクハウス


東京都新宿区神楽坂3-1-34
tel:03-3268-0123
全1棟 バスタブ付き
1棟 ¥550,000(1棟2名、朝食付き)
https://trunk-house.com

●別途宿泊税や入湯税、サービス料がかかる場合があります。

※『フィガロジャポン』2019年12月号より抜粋

photos : MASAHIRO OKAMURA (CROSSOVER), texte : SHINGO SANO

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