やっぱり、京都が好き 京都で話題の美術館で、アートと建築を愛でる。

Travel 2020.12.26

京都で訪れるべきは、装い新たにお目見えした美術館。展示作品だけでなく、建築や景観も含め、古都が発信する美を感じたい。


いまと昔、東西南北を繋ぐ、京都の新名所。

京都市京セラ美術館

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建築家・青木淳と西澤徹夫が設計を担当。地下にガラス・リボンを新設し、こちらをメインエントランスに変えた。

1933年誕生の市立美術館が生まれ変わった。日本の公立美術館として現存する最古の建物であること、長年地元民から親しまれてきたことを尊重し、ふたりの建築家がリデザイン。古い建物を生かしながら、クロークだった地下を開放感あふれる空間に変え、ショップとカフェを新設。中央ホールをハブに、東西南北、自由に往来できる空間を造った。昔といま、両者を尊重する姿勢は展示品も同様で、近代~現代、絵画、彫刻、工芸など幅広く紹介。アートの発信地でありながら、自然豊かなエリアになじむ、市民憩いの場になりつつある。

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エントランスを抜けた先にある中央ホール。左右(南北)に展示室があり、ホール奥から、新設した展示スペース「東山キューブ」に繋がる。

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創建当時の空間を生かした西広間の階段。ステンドグラスの格子天井が美しい。

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2021年1月末まで展示予定の杉本博司『硝子の茶室 聞鳥庵』(2014年)。

京都市京セラ美術館
きょうとしきょうせらびじゅつかん

京都市左京区岡崎円勝寺町124 
tel:075-771-4334
営)10時~17時30分最終入館
休)月 ※祝日の場合は開館
料)一般(コレクションルーム)¥730 
※要予約、定員制
https://kyotocity-kyocera.museum

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名画家自身が手がけた館は、遊び心いっぱい!

京都府立堂本印象美術館

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リニューアルし、レリーフの色も設立当時の色に近づいた。背後にそびえるのが衣笠山。近くには金閣寺や龍安寺がある。

大正時代から多くの画家がアトリエを構え、絵描き村と呼ばれる衣笠エリア。ここは、衣笠を拠点に活躍した日本画家・堂本印象自らデザインし、1966年に設立した美術館だ。外壁の修復、野外展示が楽しめる庭園などを整え、2018年にリニューアルオープンした。館内では、印象本人の作品を中心に、京都ゆかりの作家の作品も展示。2階展示室は大型作品もゆったりと観られるシンプルな空間に。作品はもちろん、印象の世界観が詰まった壁画の装飾や家具、照明をじっくり堪能したい。

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本館の2階展示室。人物、風景、宗教画と幅広く描いてきた印象の作品が一堂に会する。

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ポップなステンドグラスが目を引くエントランス。

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入場無料の庭園には、印象デザインの椅子が置かれる。

京都府立堂本印象美術館
きょうとふりつどうもといんしょうびじゅつかん

京都市北区平野上柳町26-3
tel:075-463-0007 
営)9時30分~16時30分最終入館
休)月 ※祝日の場合は開館、翌平日閉館、その他展示入れ替え時期など不定休あり 
料)一般¥510
https://insho-domoto.com

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嵯峨嵐山に立つ、日本画のための清閑な空間。

福田美術館

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美術館の庭に広がる水盤。目の前には桂川の上流、大堰川が流れる。

渡月橋を望む縁側をイメージした廊下、蔵を彷彿とさせる展示室など、日本家屋をコンセプトに建てられた福田美術館。長閑で洗練された雰囲気の中、京都画壇を含む日本画コレクションが展示される。反射しにくいドイツ製の展示ガラスや、作品全体にフラットに当たる照明を採用するといった鑑賞者への配慮は、ソフト面にも注力。キャッチ付きの簡潔で読みやすい解説文や、ときにはイラストを用いた作家の相関図などを交え、展示作品の背景にもフォーカス。アート初心者でも楽しめる工夫がちりばめられている。

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館全体で約1500点の作品を所蔵。

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縁側をイメージした廊下。イタリアの大理石を緻密に並べた壁は見もの。窓には網代模様を施した。

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渡月橋が見渡せる併設のカフェ、パンとエスプレッソと福田美術館。人気メニューは「季節の福パフェ」(¥1,000~)。展示品とのコラボメニューも登場する。

福田美術館
ふくだびじゅつかん

京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
tel:075-863-0606
営)10時~16時30分最終入館
休)火
※その他展示入れ替え時期など不定休あり
料)一般¥1,300 
https://fukuda-art-museum.jp

●新型コロナウイルス感染症の影響により、掲載店の営業時間、定休日、美術館の展示期間などが取材時から変更になる可能性があります。

*『フィガロジャポン』2020年11月号より抜粋

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photo : SHIN EBISU

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