Beauty 連載
経絡できれい。
イライラしたり、落ち込みがちな時に。
気持ちを落ち着かせる経絡セルフケア。
経絡できれい。
蝉の鳴く声を目覚まし時計代わりにしていた季節ももう終わり、最近は朝がとっても静かで寝坊してしまいそうになります。秋の夜長のせいでちょっと寝るのが遅くなっているせいもありますが、皆さんはいかがですか?
この時期は急な気候の変化に対応出来ず、風邪を引いてしまったり、お肌がかゆくなったりカサカサしたり、急に抜け毛が気になったりと体調管理が難しいです。
しかしケアが必要なのは身体だけではありません。
「こころ」の方はどうでしょう?
なんだかやる気が出てこない、イライラする、悲しくなる、心がざわざわする......など。
私って情緒不安定かしら?!と思う事はありませんか?
もちろん、具体的にストレスになることや心配事がある場合は、それらを解決する事が心を落ち着ける一番の方法ですが、そんなにうまくいくことばかりではありませんよね。すぐに解決するのが難しい悩みがあったり、特にこれと言って思い当たることがないけれどやる気が出ない、落ち着かないなど、こんな状態をそのままにしておくと、心身のバランスが崩れ病気を引き起こしてしまうかもしれません。
東洋医学では主な病気の原因には内因と外因があり、外因は寒さや暑さなど外邪が関係しているもの。
そして内因は心配事や、悲しみ、怒りなどをためておく事によるもの。どちらも病気を引き起こします。
今回は季節の変わり目でただでさえ外因を受けやすい不安定な体調にストレスが加わる事で、いつもの元気が出てこない人に是非試して頂きたい、心を落ち着けてストレス解消に働く経絡セルフケアをご紹介します。ストレスを感じたときすぐその場でもでき、寝る前に1日の疲れをリセットしぐっすり眠りたい時にもとても効果的です。
精神を落ちつかせるとっておきのツボ「膻中(だんちゅう)」を刺激
「胸が弾む」、「胸が張り裂ける」、「胸をなで下ろす」など胸は精神、感情を表す慣用句に使われていることからも、精神状態と深く関係していることがわかります。
「膻中」はまさに胸の真ん中にあり、全身の気が一番良く集まるツボで、気が乱れると反応が出ます。
日々の治療を通してみても、過度なストレスを感じている患者さんは胸の真ん中を触るだけで痛いと訴えることが多いです。「膻中」は今どのくらいストレスを感じているかが簡易にわかる、ストレス度のバロメーターです。ちょっと触ってみても痛いと感じる方はストレスをため過ぎているのかもしれません。イライラしているなと感じたとき、人間関係がうまくいかずに落ち込みそうになったとき、すぐに試して下さい。
★膻中マッサージの方法★
[用意するもの]
・お湯を入れたペットボトル
(炭酸水用の底が凸凹している500ミリリットルのペットボトルに42度くらいのお湯をいれたもの)
※注意:温度に気を付け、火傷をしないように注意しましょう。
①気持ちが落ち着く胸の中央を温めましょう。
ペットボトルを縦にして、真ん中を胸の中央に当てて温めます。
ふーっと長めに4回息を吐きます。
ペットボトルがない場合
手のひらで上から下へ胸の真ん中をなで下ろします。4回。
なで下ろす動作をする時に、合わせてふーっと4回息を吐くとよいでしょう。
②胸の谷間の中央を押します
ペットボトルの底で心が落ち着くツボ膻中を押します。
ふーっと長めに4回息を吐きます。
*膻中の場所:胸の真ん中にある骨の上で左右の乳首を結んだ線のちょうど中央部
ペットボトルがない場合
親指で膻中をゆっくり押し込みます。
★経絡豆知識★
"気の病"に効くツボ「膻中」
今回ご紹介した膻中というツボは、全身にある361穴(WHO世界保健機構で定められたツボ)の中でも"気の病"にとても効くとされているツボです。腑、臓、髄、筋、骨、血、脈、気のそれぞれの気が集まるツボを八会穴といいます。それぞれの病に対応するツボを用いれば効果があると言われています。「膻中」はその八会穴のひとつで、「気」のバランスを調整してくれるツボです。きっとあなたの気を落ち着かせてくれるに違いありません。
ポイントは必ず深呼吸をする時の吐くときにツボを押すことです。ふーっといやな気を外に全部出してしまうイメージでそうぞ!
職場でイラっときたとき、子育て中でついつい怒鳴ってしまいそうなとき、気持ちが落ち込んで立ち直れそうもないとき、など気持ちを落ち着けたい時にお試し下さい。また落ち着きのない子供にやさしく胸を撫で下ろすようにマッサージしてから膻中をそっと押してあげるといい子になるかも!身近な大人にも有効です(笑)