イライラした心を安定。夜に使いたいリラックスの精油は?
Beauty 2022.04.06
久保直子
前回(朝編・日中編)の記事に続き、気分が落ち込んだ時に助けとなる植物の香りを紹介します。今回は夜編。
心身ともに1日の疲労を抱えるナイトタイムは、とにかくひと息つくのが先決。まずは、帰宅した時にウッディ系の香りで、騒がしかった日中の疲労をいったん落ち着かせましょう。その日の情報の整理は、睡眠時に行われると言いますが、気分をリラックスさせることでストレスが緩和されます。樹木の香りは心身を癒やす力に優れ、地に足を着けて立つような落ち着きを取り戻すのに最適です。
ヒノキの香りに包まれて、その日の疲れをリセット
ヒノキは、日本人にとってはなじみのある香り。精油は建材などに加工されるプロセスの中で、加工用にならなかった部分を水蒸気蒸留して抽出されます。ヒノキにはα-ピネンやδ-カジネンなど多くのテルペン類の芳香成分が含まれていますが、最近は、“森林の香り”の正体とされるフィトンチッドによる森林浴効果が注目されています。神経を強壮させる作用と鎮静させる作用を持っているので、イライラした心も安定。
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プラスαのブレンドテクニック
同じウッディ系をブレンドしてもよいですが、鎮静力を高めたい場合は、ラベンダーもよく合います。このあとに紹介するローズウッドやネロリとも好相性なので、合わせてみるのもおすすめ。ソルトに混ぜて玄関に置いて、香らせてもよいかもしれません。
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リラックスさせながら元気にしてくれるローズウッド
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フローラルだけどウッディ。甘すぎる香りが苦手な人にもおすすめのローズウッドは、優しい甘さとスパイシーさのバランスが特徴。アルコール類のリナロールが主成分ですが、鎮静と活性を持つそれぞれのリナロールが含まれているので、リラックスさせながら、神経を強壮して不安を和らげてくれます。免疫力を高める成分も含んでいるので、風邪予防などにも。
プラスαのブレンドテクニック
ローズウッドは、ヨガや瞑想を行う時にもおすすめ。同じく瞑想時におすすめのフランキンセンスとともに部屋に焚いておくと、昂っていた心が鎮まり、気持ちがリセットされます。
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睡眠へのアプローチ、深いリラックスで安眠へといざなう
帰宅した時のリラックスに加え、睡眠前の鎮静に活用したい香りも紹介したいと思います。眠る前は副交感神経が優位となり、徐々に睡眠に入るため、その状態へと誘う鎮静の香りを使って。香りは一瞬で脳に到達するので、寝る前にウッドボードなどに垂らしてもいいですし、入浴時に活用しても。何かと考え事をしやすい方は、ヘッドマッサージをし、目周りまでほぐしてみてください。
安らぎを取り戻し安定させるネロリ
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オレンジの花から抽出されるネロリ。アルコール類のリナロールを中心に、ゲラニオールやリモネン、酢酸リナリルなどが含まれ、甘さの中にビターな香りが垣間見える深みのある香りです。非常に優れた鎮静作用を持ち、神経のバランスをとり、強壮します。自律神経のバランスが揺らぎやすい季節の変わり目や、心身の不調、女性ホルモンバランスが崩れた時や不眠症状が強い時などにも役立ちます。
プラスαのブレンドテクニック
心の疲弊が激しい時は、同じく鎮静効果の高いラベンダー、ローズウッドなどと一緒に使うとより効果的。1~2滴をソルトと混ぜてアロマバスソルトにして入浴してもいいですし、植物オイルに数滴垂らして混ぜてマッサージしても良いでしょう。精神面のケアにおすすめです。
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久保直子
ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士/アロマデザイナー
AMPP(仏植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、スポーツアロマテラピストの資格を所持。美容ライター時代に培った膨大な美容の知識と、植物療法をツールに、独自のウェルネス&ビューティについて発信。そのほか製品開発、アロマデザインやセミナーなど幅広く活動。
Instagram:@naonaonaozou