いつものメイクがマイクロプラスチック汚染の原因に?

Beauty 2022.08.16

桐村里紗

前回は、肌にも地球にも優しいノンケミカルな日焼け止めについてご紹介しましたが、さらに知っておきたいのが化粧品に含まれるマイクロプラスチック問題。

みなさんは、普段のメイクが海のマイクロプラスチック汚染の原因になっていることを知っていますか?
私たちが日常的に使っているメイク製品には、プラスチックが当たり前に使われています。
海に直接プラスチックゴミを捨てていなくても、一般的な化粧品でメイクをして洗顔することで、プラスチックが下水処理を通り抜け、地球に循環する水に流れ出てしまいます。

化粧品のマイクロプラスチック01.jpg

photo: iStock

マイクロプラスチックとは、一般的に水に溶けない5mm以下のプラスチック粒子のこと。
これには、2種類あります。
よく知られているのは、海洋ゴミなどの大きなプラスチック製品が分解されてできる「2次マイクロプラスチック」。
化学繊維の衣類を洗濯することでも排泄されます。
だから、プラスチックを使わない素材の服を選びたいというニーズが高まっています。
最近では、天然素材でありながら、クールなデザインのエシカルファッションも選ぶことができますね。

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あまり意識されていないのが、化粧品類の基材に含まれている「1次マイクロプラスチック」。
ナイロン、アクリル、シリコンなどのプラスチック素材は、化粧下地や日焼け止め、ファンデーション、パウダー、アイシャドー、チーク、ルージュなどあらゆるメイクアップ化粧品に基材として含まれています。
これらは、伸びを良くする効果や、紫外線の撹乱、ブライトニングのための光拡散効果目的で配合されています。
また、洗顔料やボディソープなどに含まれるスクラブも、マイクロビーズと呼ばれる1次マイクロプラスチックです。
最近では、日本の美容業界の努力でマイクロビーズの使用を控えて、生分解素材や天然素材への切り替えが進んでいます。
ただし、化粧品全体のマイクロプラスチックの使用はまだまだ一般的です。

世界の海のプラスチックごみは、合計で1億5,000万トン(※1)。そこへ少なくとも年間800万トンが、新たに流入していると推定されています(※2)。

化粧品のマイクロプラスチック02.jpg

photo: iStock

100%天然成分、100%ミネラルのメイクアップ化粧品を選べば、マイクロプラスチックは避けられます。
これらの化粧品は、カバー力や発色面では劣ります。
でも、私はその分、食事やライフスタイルを整えてインナーケアをしっかりと行って、細胞そのものが元気になるように心がけています。
自分の内側に自信が持てるようになると、盛るメイクよりも引き算のメイクで、素の自分を生かすナチュラルメイクが心地よくなります。

自分自身の心地よさと同時に、地球に暮らす生き物の心地よさも保つことを日常にすると、足元に豊かさの土台ができていくように感じています。

(※1) McKinsey & Company and Ocean Conservancy (2015)
(※2) Neufeld, L., et al. (2016)

桐村里紗

医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
https://tenrai.co/

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