腸活的、正しい食事のタイミングは1日何食?
Beauty 2023.09.12
桐村里紗
皆さん、こんにちは。桐村里紗です。
前回に続き、腸活的に見たヘルシーな食事についてお話しします。
今回は食事の回数や頻度について、腸活的に考えてみましょう。
食事の頻度を決めるにあたって、まず大事なのは、腸の動きを良くすること。
腸の動きが悪いと、当然、便秘になってしまいますね。
そのために重要なのは「空腹」です。
空腹になると、お腹がグゥ〜っと鳴りますよね。実はこれは、腸が動いている証拠。
この空腹時に起こる腸の運動は、腸内環境を良くするために超重要です。
食べ物の残りがずっと腸内にあると、悪玉菌が増え、腸内の腐敗の原因になります。
空腹時間をしっかりと作ることで、腸がダイナミックに動き、不要なものや悪玉菌などを腸の外に送り出す、腸内の大掃除が行われるのです。
空腹になるのが嫌でずっとダラダラとおやつを食べ続けてしまったり、夜遅くまで飲食を続けて満腹のまま寝るのは最悪。
メリハリのある食事が大切です。
photo: shutterstock
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「夕食は20時までに」などと言われますが、夕食を早めに済ませることで、睡眠中に自然と空腹状態を迎えます。
たとえば20時に夕食を終え、翌朝8時に朝食をとると、12時間は食事をしない時間が設けられ、無理な食事制限をせずに1日3度の食事をしながらも、一日の半分は食事を控えることができます。
昼食と夕食の間も、大切な空腹時間。
12時に昼食をとり、夕食が19時開始であれば、7時間は食事の間隔を空けることができます。
その間、ダラダラとした間食は控えたいものです。
夕方、低血糖になる方もいるかもしれません。
それは体質ではなく、食事の内容の問題!
糖質の多い食事、血糖値が上がりやすい食事を選択することで、血糖値が食後に急上昇し、その後逆に下がりすぎることで「血糖値スパイク」と「反応性低血糖」という現象が起きます。
低血糖にならないようにと、ジュースやキャンディ、チョコレートなどの甘いものを常備してちょこちょこ食べるのは、むしろ症状を悪化させます。血糖値が上がらないようなバランスの良い食事を心がけ、むしろ過剰な糖質補給を控えることで改善します。
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また、食事のバランスを考えずに1日1食ダイエットをする場合も、空っぽの胃に急に血糖値を上げる食物が入ることで、血糖値が乱高下するリスクもあります。
1日1食ダイエットは、食事内容や栄養バランスなども十分に配慮して行う必要があるので、万人向きではありません。
かといって、ダラダラと食べ続けることも腸活的にNGです。
ダラダラと食べて空腹時間がない人は、腸内環境が悪化している可能性もあります。
満腹が続くことで消化力が低下したり、小腸で細菌が異常に増えてしまい(小腸内異常増殖症候群という)、ガス腹や腹痛などの原因になることもあります。
腸活的にも「規則正しい食事」「夕食を早めに食べ終える」「間食は控える」「甘いものは食べすぎない」。
こうした基本的な食事法が最も理に適っていると言えます。
難しく考えず、基本的なことから実践してみてくださいね。
桐村里紗
医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
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