美容業界も注目、ミトコンドリアを活性させるには?【老化は治せる!? 100年美容の現在地】
Beauty 2025.10.02
寿命が100年に延びるなら健康で"美しく"生きたい――そのためには、常に進化する医療や健康、美容に関する情報の正しいアップデートが欠かせない。同時に、普段の生活習慣を見直すきっかけにしたい。
ミトコンドリア
Mitochondria
ミトコンドリアはエネルギー工場。その活性こそが何より重要。
いま、健康医療も美容もミトコンドリアへの注目が熱い。
「人間はエネルギーがなければ動きません。臓器や筋肉を動かすのも、皮膚を美しく保つ新陳代謝も、すべてエネルギーがあってこそ。そのエネルギーを産生しているのが、細胞のひとつひとつに存在する小器官=ミトコンドリアです。いわば人間のエネルギー発電所。ミトコンドリアは、酸素や炭水化物、タンパク質、脂肪などの栄養素をもとにATPというエネルギーを合成しています。ATPは人間の生命活動になくてはならないエネルギー。エネルギーがなければ、遺伝子も働きません。加齢とともにミトコンドリア機能もエネルギー量も低下するので、エネルギー値を上げて、高い身体機能をキープしたい。そこで『ATP産生量を低下させないこと』が、最新のアンチエイジング医療の潮流になっています」(辻直樹先生)
そのためにできることは「基本的なことですが、適切な栄養、適度な運動、ストレス管理など。NAD+という補酵素を増やすことも大事。その前駆体であるNMNがこれだけ注目を集めているのは、NAD+がミトコンドリアのATP産生に必要な酵素だからです」
ガス欠=ATP不足を疑うべきはどんな人?
「寝れば回復するはずの疲労が取れない"慢性疲労"は、エネルギーが減っているサイン。ほかにも傷が治りにくい、髪や爪が伸びるのが遅い、集中力が続かない、物忘れが増えた、手足が冷える、寝起きが悪い、などは要注意」
細胞をハイブリッドカーにたとえると、ミトコンドリア=エンジン。糖質・脂質、ビタミン・ミネラルなどの栄養素(=ガソリンやオイル)などと酸素をもとにATP(=電気)を合成し、そのエネルギーで生命活動を行っている。ATPを産生する際は活性酸素(=排気)が発生する。車(=細胞)が正常に動かないのはガス欠(=エネルギー不足)を疑うべし。
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ミトコンドリア活性に着目したアイテム。
学習院大学発ベンチャーが開発した、ミトコンドリア活性化成分マイトルビンの世界初のサプリメント。ミトコンドリアの機能を高めるレスベラトロール、NMN、L-カルニチンなども配合。マイトルビン サプリメント 90粒¥7,980/マイトジェニック
シミ内部のミトコンドリア代謝をリアルタイムで可視化することに成功した資生堂。頑固なシミでは、エネルギー産生の低下や炎症因子の分泌などの細胞老化現象が起きていることを発見。対処するトリプル薬剤を配合してシミにアプローチ。HAKU メラノフォーカスIV〈医薬部外品〉 45g ¥11,000/資生堂
酸素運搬体を活性化させる技術を搭載。酸素供給不足により、ミトコンドリアにおけるエネルギー産生やNK細胞の生産性が低下した肌を巡らせ、コラーゲン産生をアップ。ディオール カプチュール ル セラム 30ml ¥17,270/パルファン・クリスチャン・ディオール
過度のストレス下で細胞がエネルギー不足に陥ると、メラニンの分解やコラーゲン産生が滞り、シミやたるみの原因に。レスベラトロールやテンニンカ果実エキスがミトコンドリアの働きを促進。アンフィネス ブライトニング コンセントレート ミルク〈医薬部外品〉200g ¥7,700/アルビオン
ローズ由来の細胞活性因子アプソリュPDRNを独自開発。ミトコンドリアを増殖させてエネルギーを高め、ハリと輝きを持続できる肌に。アプソリュ ザ ソフト クリーム 60ml ¥48,400/ランコム

辻 直樹
辻クリニック東京 ADVANCED AGING LABORATORY 院長
獨協医科大学卒。抗酸化のための水素治療をいち早く臨床に取り入れ、「細胞治療」の専門医として、疲労回復やアンチエイジングの予防治療・研究を長年行っている。
アルビオン
0120-114-225(フリーダイヤル)
https://www.albion.co.jp/
資生堂お客さま窓口
0120-81-4710(フリーダイヤル)
https://www.shiseido.co.jp/
パルファン・クリスチャン・ディオール
03-3239-0618
https://www.dior.com/ja_jp/beauty
マイトジェニック
info@mitogenic.co.jp
https://mitogenic.jp/
ランコム お客様相談室
0120-483-666(フリーダイヤル)
https://www.lancome.jp/
*「フィガロジャポン」2025年8月号より抜粋
text: Naho Sasaki