話題のNMN、摂取効果を高めるには?【老化は治せる!? 100年美容の現在地】

Beauty 2025.10.02

寿命が100年に延びるなら健康で"美しく"生きたい――そのためには、常に進化する医療や健康、美容に関する情報の正しいアップデートが欠かせない。同時に、普段の生活習慣を見直すきっかけにしたい。


NMN
ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド

NAD+を増やすことが、アンチエイジングの大命題!

"若さを保つ鍵"として近年注目のNAD+(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)。アンチエイジングの鍵を握る非常に大切なキープレイヤーだ。ミトコンドリアのエネルギー産生、傷んだ細胞を修復するサーチュイン(長寿)遺伝子のスイッチを入れる、解毒作用のあるグルタチオンの再利用など、重要な働きをする。加齢などで減るNAD+をいかに増やすか。そこで近年注目が集まるのが、NAD+の前駆体であるNMNだ。

「大前提として、NAD+への変換に必要な亜鉛やマグネシウムなどの栄養素が体内に不足していたら、NMNを摂ってもあまり意味がないということ(下図参照)。NMNそのものに身体をどうにかする働きはなく、NAD+に合成されてこそ意味があります。そもそものビタミンB3やミトコンドリア活性に必要な鉄、老化細胞除去に関わるビタミンDも関係しています。NAD+が合成できない"穴"がどこにあるかはひとりひとり違うので、栄養検査をして"穴"を埋めることが順序としては先です」(辻直樹先生)

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NAD+は、体内に存在する補酵素。ナイアシンアミドが代謝されNMNになり、NMNがNAD+に変換される。細胞のエネルギー生成やDNA修復などの重要な役割を担うほか、老化関連疾患などの対策としても注目されている。

NAD+は増やすだけでなく、消費を抑える努力も必要。

「貯金と同じで"収支"の両方が大切です。NAD+は遺伝子の損傷や炎症の修復時に"消費"されるので、活性酸素を増やすストレスや抗原暴露は大敵」

感染、化学物質、睡眠不足、メンタル不調......ストレス源を絶つことが"浪費"防止に繋がる。体感は「疲れにくくなった」程度でも、NAD+量が増えれば体内では解毒や修復能力が高まるなど、細胞レベルで長期的な効果があるので、地道にNAD+を増やす試みを。

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辻先生が採用するNMNリポソーム(¥38,500)。クリニックのNAD+療法は、栄養療法に始まり、必要に応じて糖質制限や断食、グルタチオンや水素注入などを行う。それでもNAD+値が上がらなければNMNのサプリや点鼻、点滴へ移行。

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NAD+合成に関わる栄養素

ビタミンD

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ビタミンCとDをリポ・カプセル化。不足しがちな栄養素をまとめて摂取できる。1日1~3包。リポ・カプセル ビタミン C+D30包入り ¥8,964/スピック

「ビタミンDはNK細胞を活性化します。NK細胞は老化細胞やがん細胞の除去をする大切な役割を持っています。ビタミンDは免疫システムにも関与」(辻先生)。魚介類(鮭、カツオなど)やキノコ類、卵などに含まれるほか、日光を浴びることで肌でビタミンDが生成される。

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月経のある女性は特に不足しがちな鉄分。吸収の良い「ヘム鉄」を1粒に4mgと高濃度に配合している。the Fe 60カプセル ¥6,156/タカコスタイル

体内で鉄を貯蔵するフェリチンの数値が肝心。ヘモグロビン値が正常で貧血症状がなくてもフェリチンが少ないと、鉄欠乏の可能性大。「ミトコンドリアの伝達系に関与するため、値が低いと細胞機能が低下。フェリチンは筋肉に溜まるので運動する人や男性は数値が高め」(辻先生)

亜鉛

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体内に吸収されやすいグルコン酸亜鉛のサプリ。1カプセルに15mg含有。1日2カプセルまで。亜鉛サプリメント 60カプセル ¥2,916/シロノクリニック恵比寿

味覚を正常に保つ、皮膚や粘膜の健康維持にも関与するミネラル。マグネシウムと同じく、NAD+合成に必要な栄養素。亜鉛は体内で生成されないため、カキや豚レバー、卵などの食品やサプリでの摂取が必要。亜鉛の過剰摂取は銅の吸収を阻害するので、サプリの摂取量には注意。

マグネシウム

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高知県室戸の海洋深層水からつくられたにがり。マグネシウムが豊富なので、飲料や炊飯、料理に加えて手軽に摂取を。天海のにがり 450ml ¥730/アコール

エネルギー生産や細胞修復に関与する重要なミネラル。「NMNを摂取しても、マグネシウムが欠乏していたらNAD+に変換できず、数値は上がりません。カルシウムを過剰に摂取するとマグネシウムの排泄が増える、という関係なので、バランスよく摂取することが重要」(辻先生)

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辻 直樹
辻クリニック東京 ADVANCED AGING LABORATORY 院長
獨協医科大学卒。抗酸化のための水素治療をいち早く臨床に取り入れ、「細胞治療」の専門医として、疲労回復やアンチエイジングの予防治療・研究を長年行っている。

問い合わせ先:
アコール
0120-32-6032(フリーダイヤル)
https://akol.jp/

シロノクリニック恵比寿
0120-114-422(フリーダイヤル)
https://www.shirono.net/

スピック
0120-663-337(フリーダイヤル)
https://www.spic.com/

タカコスタイル
03-6455-0021
https://takakostyle.shop-pro.jp/

*「フィガロジャポン」2025年8月号より抜粋

text: Naho Sasaki

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