世界一簡単な炭水化物ダイエットとは?

Beauty 2018.07.16

山口華恵

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カーボサイクルダイエットは、炭水化物を摂取する日としない日を交互に繰り返して炭水化物全体の摂取量を減らす。Photo : iStock

世界的に炭水化物抜きダイエットが流行しているけれど、ハードルはけっこう高い。ふたりの栄養の専門家が、もっと簡単でバランスが取れた低炭水化物ダイエットを紹介する。

「炭水化物はダイエットの大敵だから、スリムでより健康的な身体を手に入れるために完全除去する」−−このようにダイエットに積極的な人の多くは、炭水化物の摂取をやめようと考える。すると、パスタ、米、パン、デザート、フルーツなどはすべて避けなければならない。しかし、ここまで完璧には無理というあなたにぴったりなのが「カーボ(炭水化物)サイクルダイエット」だ。

より健康的で簡単で、かつ持続可能な「カーボサイクルダイエット」は、炭水化物を摂取する日としない日を組み合わせて行う。今回は、『カーボサイクル、誰でもできる炭水化物抜きダイエット』(*1)の共同著者であり、ジャーナリストのアンヌ・デュフール氏と『砂糖と脂肪と塩:あなたの食事に実は含まれているもの』(*2)の著者であり、栄養医学の専門家、ローレンス・プルメイ氏が語る。

炭水化物をローテーションで摂取する

「カーボサイクルダイエット」とは、炭水化物や糖質の多い食べ物(デザート、でんぷん質、シリアル、果物、加工品など)の摂取を減らし、体調改善を目指すもの。コンビニやスーパーに並ぶデザートがやめられないというあなたでもこのダイエットを実践すれば、4週間で体重を減らすことが可能だ。「ローカロリーの食事を摂取し、ローフードをより積極的に取り入れる習慣が身につくことで体重が減るのです。誰でも手軽にできるのでぜひ試してほしいですね。持続可能で毎日の食習慣としやすいでしょう」とデュフール氏は言う。

このダイエットはもともとボディビルディングの発想から始まったものである。炭水化物を完全除去して必要な筋肉までも失わないように、ボディビルダーたちは運動する日は炭水化物を摂取し、運動しない日は炭水化物を取らないようにする。しかし、炭水化物は私たちのエネルギーの源であることを忘れてはいけない。痩せようとするあまりに炭水化物を極端に減らすのは危険だ。普段からしっかり運動しているタイプではない限り、ケトン体ダイエット(高脂肪・低炭水化物・適度なたんぱく質の摂取を基本とするダイエット)を長期間することは健康上また1日のパフォーマンスを考えると控えたほうがよさそうだ。

栄養士のジャン=ミシェル・ルセルフ氏はケトン体ダイエットについてのインタビュー中、以下のように述べた。「炭水化物が不足すると、脂肪や悪玉コレステロールの増加など心血管リスクが上がるだけでなく、低血糖を引き起こし、筋肉量を落としてしまうリスクがあります。身体の糖質が不足すると、身体がそれを補おうと自らの筋肉をアミノ酸に分解して糖分を作り出すことから、結果的に筋肉を減らしてしまうのです」

エネルギーを消耗しきらないように、カーボサイクルダイエットでは、炭水化物抜きの日には果物、豆類、パン、シリアルなどを避けるようにし、そうでない日には運動をしっかりした上で炭水化物を摂取する。「スーパーやコンビニなどで売られるお菓子や炭酸飲料、加工品などは、砂糖が非常に多く含まれ、健康上よいことはないので、いっさい摂取を控えたいですね」とデュフール氏は言う。

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それぞれに適したリズムで行うことが可能

炭水化物を摂取する日としない日はそれぞれの生活スタイルで決めることができる。もし週末は出かけて何も気にせず楽しみたいというのであれば、5日間の炭水化物抜きプラス週末の2日間の炭水化物摂取が可能だ。もちろん、1日おきに炭水化物を摂取する日としない日をリズムとすることもできる。「炭水化物を完全に食事から抜くことは容易ではないし、誰にでもできるわけではありません。一方、ローテーションで行うのであれば手軽にチャレンジできますし、それぞれの食習慣に合わせて無理なく実施が可能です」とプルメイ氏は述べる。

重要なのは、炭水化物や糖質を含む食べ物を摂取する日にはスポーツをしっかり取り入れることだ。「食品に含まれる糖質は体内でグルコースに変換され、エネルギーとして使われます。また使わなかったエネルギーは脂肪として蓄積されます。炭水化物を摂取する日に過剰摂取したり、ほとんど動くことがなかったりすると当然体重は減りません。カーボサイクルダイエットは、運動が苦手で毎日不規則な生活を送っている人にとってはあまり向かないかもしれません。一方、積極的かつ継続的に物事を実行できる人ならば誰でもトライしやすいでしょう」とプルメイ氏は言う。

このダイエットにおいて運動をすることは最重要課題であり、それぞれの日の食事の意味もしっかり意識しなければならない。また、栄養や身体の機能に関して知識を高め、糖質がどんな食品に含まれるかを理解することも大切だ。「カーボサイクルダイエットでは、スポーツに限らず、身体を動かして行う活動はすべて効果的です。常日頃運動をしているアスリートでなくても取り組むことが可能なのです」とデュフール氏は語る。

*1 『カーボサイクル、誰でもできる炭水化物抜きダイエット(原題:Carb Cycling, le régime sans sucre le plus facile au monde)』 Leduc.s刊 19ユーロ
*2『砂糖と脂肪と塩:あなたの食事に実は含まれているもの(原題:Sucre, gras et sel ce que contiennent les aliments)』Eyrolles刊 11,99ユーロ

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texte : Sevin Rey(madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

山口華恵

翻訳、ライター

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