こんなシグナルに注意! テレワークによる体の負担とは。

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ロックダウンや緊急事態宣言が解除されて以来、オフィスの同僚との再会やオフィスのカフェがうれしく感じられたはずなのに、なぜか月曜日から身体が重い……。
もしかしたらそれはテレワークの後遺症かも。詳細を見てみよう。

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テレワークによる体への負担にはこんなシグナルが。photo : Getty Images

外出制限のせいで大きなダメージを受けたような顔をしているのだろうか、「ロックダウン中はどうだったの?」と同僚が代わる代わる尋ねてくれる。目の下にクマができた。笑顔が浮かばない。ひっきりなしに首の後ろに手をやってしまう。そんな兆候は、もしかしたら、テレワークのが引き起こした後遺症かも。4人の専門家とともに、そんなシグナルをリストアップしてみよう。

首、肩、腰がこわばっている。

ロウテーブルの隅っこや、テーブルに比べて低すぎる椅子で仕事していたテレワーク期間。忘れかけていた本物のデスクの快適さに喜びつつ、オフィスのコンピューターのキーボードを叩き始めたとたんに、なんだか違和感があり、首、肩、腰にこわばりが……。「人間の身体は何にでも順応できますが、環境の大きな変化は苦手です」と言うのはリヨン郊外で開業する理学療法士のマリー・ミレールだ。

テレワーク中の自宅での習慣の中には、身体に悪影響を与えたものもある。「ソファに座っている姿勢は背中を圧迫し、骨盤を不安定にします」と言うのは、姿勢と人間工学を専門とするオリヴィエ・ジラール。時間が経って身体に不快感が現れると、人間は身体のほかの部分を使って不具合を正そうとする。「特に意識しなければ、頭と肩は身体の前方に傾くので、首から肩甲骨の間までの背中の上部が影響を受けます。特に、スクリーンの小さいポータブルPCで働いている場合はなおさらです」。

痛みの原因が、実際に痛い部分とは違うこともある。これは関連痛と呼ばれるもの。「頭痛や目のまわりの不快感は胸鎖乳突筋、つまり鎖骨から耳に向かう首の筋肉の不具合に起因することがあります」とジラールは説明する。「同じように、臀部の痛みは腰の筋肉につながります」。

オフィス用家具に飛びついたり、自分の椅子を調節したりする前に、まずは時計に目を向けてみよう。「悪い姿勢とはただひとつ、同じ姿勢を長くとり続けることです」と言うのは理学療法士のミレール。彼女によれば、不動の姿勢による不具合も、20分ほど歩く、ちょっとスポーツするといった日常の運動や定期的な休憩で解消できるという。「座っていると、30分ほどで骨盤が圧迫されてしまいます」とジラールも言う。

とはいえ、あまりにプレッシャーを感じるのもよくない。「現在のように大きなストレスを受けている時に、真っすぐの姿勢を保つようにと過度の注意が重なると、痛みに対してより敏感になってしまう」とミレール。「それよりも、身体の力を抜くことで、こわばりや痛みが和らぐかどうか気をつけてみて」。3日以上痛みが続くようなら、医師に相談を。「朝よりも夜に痛みがひどくなるようなら注意が必要です」とは人間工学者ジラールからの意見だ。

朝からあくびが出る。

6月10日に「Current Biology」誌に発表されたドイツとアメリカのふたつの研究によると、ロックダウン中、睡眠時間は平均して、一晩に15〜30分長くなったという。だが、睡眠の質がよくなったわけではない。その原因はパンデミックへの不安感もさることながら、テレワークのオーガナイズにもある。家庭によっては、ネットワークトラフィック負荷や、家が子どもの学校代わりになったせいで仕事の時間帯をずらさざるを得ず、夜遅くまで働くケースも。「こうした時間のずれは睡眠と覚醒のリズムを乱し、ホルモン面では、朝からエネルギーを動員してくれるコルチゾール(ストレスホルモンとも呼ばれる)の分泌を狂わせます」とINSV(フランス国立睡眠警戒研究所)所長で睡眠専門の神経学者、マルク・レーは語る。その結果、起きて早々に疲労を感じたり、朝10時やランチの後に何もできずぼんやりしたりするというわけだ。

集中できない、思い出せない。

テレワーク期間が終わってもこのような夜更かし状態を続けていると、日中にひどく眠くなるばかりか、集中力にも影響が出る、と言うのは神経学者のレー。同僚と話している時にしどろもどろになったり、軽快に書類を処理しつつ、何の案件だったか急に思い出せなくなったりするのはそのため。「睡眠は、1日の間に脳に蓄積された情報を強化し、整理する役割を果たします。睡眠なしには、記憶の機能がひどく阻害されてしまうのです」。

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つまみ食いをしたくなる。

朝起きた時にコーヒーを飲みたくなるのはわかる。けれど、甘いものを次々つまみたくなるのは、必ずしも食いしん坊だからではなく、睡眠不足のせいかもしれない。「食欲を調整するのはふたつのホルモンです。眠っている時に分泌されて食欲をカットし、目が覚めるのを避けるレプチンと、起きている時に空腹を感じさせるグレリン。睡眠の量により、この機能の調整が崩れ、つまみ食いをしたくなるのです」とレーは分析する。ちなみに、人間は日常的に8時間の睡眠を必要としている。

悪夢を見る。

自宅に入り込んだテレワークは、夢の中にも忍び込んでいる、というのは、フランス国立衛生医学研究所(INSERM)・リヨン脳科学研究センターの研究員であるペリーヌ・リュビー。彼女はオンラインのアンケート形式でロックダウンが夢に与えるインパクトを調査した。6600人が寄せた回答によると(すべてに答えた人は3337人)、夢に登場する主な心配事の中で、仕事は第5位。「よくあるテーマです。人は自分の生活を夢に見るのですから。ここでは、ロックダウンによるすべてのストレスと不安材料がまとめて混ぜ合わされ、同じ場所に押し込まれた。たくさんの人が、同僚がプライベート空間に忍び込んできて自分を観察している夢を見たと言います」。

確かに、上司が自分の日課のスポーツを眺めていたり、同僚がリビングの観葉植物の近くでおしゃべりしている夢を見たら動揺してしまいそう。だが、こうした夢は、感情を整え、1日の出来事を消化するのに役立っているのだとリュビーは説明する。ただし、これが悪夢に変わらないように気をつけること。悪夢とは、リュビーの定義によれば、「感情面で非常にネガティブなために、そのせいで目が覚めてしまう夢」。もしそんな夢を繰り返し見るなら、睡眠専門医に相談を。「IRT(イメージリハーサル療法)などの効果的な行動療法を提案してくれるでしょう」。IRTとは、悪夢を覚えておき、その結末を変更し、それを昼間のうちに何度も繰り返して思い起こすというもの。「70パーセントほどのケースで悪夢が軽減されます」。

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texte : Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr)

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