レ・ドゥ・パレのクロワッサンと、ポンピドゥー。
前にオニオングラタンスープをこのブログで紹介した
ブラッスリー・カフェLes Deux Palais。
その時にも書いたけれど、クロワッサンがおいしい!
と立て続けにinstagramで投稿していたら、パン職人
の友人からも、“あれは食べてみたい”と連絡がきた。
それで朝ごはんを一緒にするべく待ち合わせ。
これまで、パン・オ・ショコラがいつもすでに
売り切れで、食べられたことがなかった。この日は、
土曜日だったからか嬉しいことにまだ残っていた。
カウンターの中からは、スタッフの人がオレンジを
ジューサーで絞る音がずっと聞こえてきていたので、
そのオレンジジュースと、タルティーヌもついてくる
朝ごはんセットを取ることにする。ヴィエノワズリー
は、パン・オ・ショコラをチョイス。
友人は、シンプルにカフェ・クレームとクロワッサン
にすると言う。
運ばれてきて、早速クロワッサンを食べた友人は
「これは、おいしい!!すごくレベル高い!」と
喜びの声をあげた。ね〜!おいしいよね!!と相槌を
打ちつつ、パン・オ・ショコラをちぎる。
ん?あれ……?クロワッサンよりも明らかに伸びない
生地に少し驚きながら、ひと口。
「これ、全然、違う。」
明らかにテンションが下がった声で思わずつぶやいた。
友人にもちぎって渡すと、「こーれーはー、違うね」。
生地の伸びも色も、バターの香りもクロワッサンとは
別物だった。
サービスをしてくれていた、ユーモア溢れるムッシュ
にクロワッサンをひとつ追加しつつ、
「クロワッサンとパン・オ・ショコラの生地、
全然違ったから」と言うと、ちょっと待て、と手で制
するような仕草をしてから、「君、生まれはどこだ?」
と聞いてきた。「日本」と答えると、「もし僕が寿司を
食べて、その寿司について何か意見したとしたら、
君たちは僕の意見をもっともだ、と認めるか?
クロワッサンもパン・オ・ショコラも僕の国のものだ。
僕らに任せてくれ!」と胸を叩き、戻っていった。
少し芝居がかったその返しに笑いながら、友人が
「ああ言ったってことは、当たってたってことだね」
と言った。
真相はともかく、ここで焼いているという
クロワッサンはおいしい。
さんざん近況を話してお昼も過ぎ、朝から降っていた
雨が止んでいる隙に、ポンピドゥーセンターへ。
ポンピドゥーセンターを設計したふたり、
「レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースへの
オマージュ」として、常設展の一角に設置された展示
を観に。美術館の入り口で、展示場所を聞くと、
「すぐそこ。でもすごく小さいわよ」と言われた。
たしかに、とてもこじんまり。
だけど、建設前には広い駐車場だったことがわかる
写真や、開館当時の新聞記事、コンペティションに
提出した建築模型、その後、現在の姿に変化した模型
など、当時の様子が見られて面白かった。
最近は企画展に来てばかりだったので、久しぶりに
常設展をじっくり観てから帰った。
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