宮沢氷魚さんと宮沢和史さんと、THE BOOMのこと。
こんにちは、編集NSです。
本誌最新号の「FIGARO HOMME 彼との瞬間」に登場してくださった宮沢氷魚さん。オンラインでも撮影の舞台裏を紹介する記事を公開しています。
記事を見て、氷魚さんのカッコよさもさることながら、お父さんと似ている!という感慨がありました。氷魚さんの父、和史さんが率いるバンド「THE BOOM」に心酔していた世代だからです。
ティーン時代の私はボン・ジョヴィやガンズ・アンド・ローゼズが好きで、ベリーショートなのに想像上のロングヘアを振り回して音楽を聴いていました。音楽に関しては周りと話が合わず浮いた存在でしたが、そんな頃、同級生にいいよ!と教えてもらったのがユニコーンとTHE BOOM。どちらも気に入り、飽きることなく聴くようになりました。
カラオケで歌えば、「沼津のMIYA」と言われたような言われてないような(嘘です、すみません)、「からたち野道」のピアノは必死に練習しました(これは本当です)。
大人になってずいぶんの間、そんなことは忘れてしまっていましたが(ごめんなさい!)、2年ほど前にTHE BOOMの曲に再会しました。子どもと長瀞にシャワークライミングに行った帰り、渋滞に巻き込まれて子どもは爆睡、眠くて眠くていつもと違うことをしなければと、Apple Musicで昔の邦楽ヒッツをセレクト。ところが悪態をつきたくなる曲ばかりで、白目を剥きながら早送りしていた時に流れたのが、「星のラブレター」だったんです。
あ、この歌大好きだった!と、酸っぱい記憶と激辛の記憶が一気によみがえり、THE BOOMの曲を久しぶりに聴き返しました。ティーンの心境に合っていたのかぼんやりと聴いていたのか、いま受け止めるとどの曲もずいぶん尖がった歌詞。ちょうど、多用していたスカのリズムから大きく音楽性を広げていた時期で、当時夢中になった曲が色褪せていないことにも驚きました。
フィガロのインタビューで、氷魚さんが父との釣りのことに触れていました。和史さんの釣り好きは有名で、そんなところから生まれたであろう曲が「釣りに行こう」。私は矢野顕子さんとデュエットするバージョンが好きで、その長瀞の帰りに何度も聴きました。歌詞の捉え方はいろいろあるでしょうけれど、なんだか親子の歌のようにも思えてきて、勝手に感傷的な気持ちになったり。
氷魚さんが生まれた1994年頃、和史さんはいまの氷魚さんと同じくらいの歳。THE BOOMはアルバム『FACELESS MAN』『極東サンバ』を発表し、「島唄」という特大ヒットも生まれていました。氷魚さんのファンで未聴の方は、そして、かつて和史さんの歌声にしびれた方は久しぶりに、THE BOOMを聴いみてはいかがでしょうか。私は本日1月24日から公開となる氷魚さんの初主演作、『his』を観に行こうと思います。
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