
日本ワイン、飲んだくれ記。
こんにちは、編集MAことまりモグです。
4月号「ロゼとスイーツの春物語。」特集内では、いちばんおいしいロゼを探すべく、有志が集まって品評会を実施しました。個人的にはフランスワイン、なかでもブルゴーニュがお気に入りなのですが、「いま日本ワインすごくおもしろいよ!」というフードジャーナリストさんからのプッシュもあり、品評会でもいくつか盛り込みました。
この会ではちょっと変わり種の巨峰を使ったロゼがランクインしましたが、ほかにも気になるワインがちらほら。もっと知りたい!と欲が出てきた頃、こんな情報をキャッチ。「LIFE with WINE #10」という日本ワインだけを集めた今年10回目となるイベントです。同じくワイン好きで品評会にも参加した編集サンタニと週末の朝から攻め込みました。
入り口でマイグラスを受け取り、会場へ入るとワイン、ワイン、ワイン! それもそのはず、北海道から九州まで40のワイナリーから126種ものワインが集まっています。醸造家のみなさんも参加しているため、熱気がすごいです。さっそく気になるボトルの前に立つと、タイミングよくワイナリーの方が注いでくれました。どれも少量で注がれるので、サンタニが来る20分ほどの間に、8杯ほど完飲……。日本ワインに詳しくない私でも知っている、たとえば甲州などもありますが、栃木県のココ・ファーム・ワイナリーの「風のルージュ」といった、ツヴァイゲルト種を使った珍しいものも。ブドウの品種をチェックするだけでも面白いです。
と、ひとりいい感じにスタートダッシュを切ったところでサンタニが到着。ふたりで一生懸命、飲んだワインをメモしながらピッチを上げて行きました。
ここではパーラー江古田など、人気店の食事もブースを出していたのですが、最初に私たちが向かったのが代官山、アタ。大好きな店だから、というのもありますが、とあるコラボ実現をもくろんでいて。こちらのシェフ掛川哲司さんの弟、掛川史人さんは地元新潟でカーブドッチワイナリーを経営していて、この日もブースを展開。右手にカーブドッチのワインを、左手にはアタのおつまみを持ち、完全自己満ですが兄弟ペアリングを堪能。酵母の味がふんわり香る、カーブドッチのワインはもともと大好きなので、その味はいわずもがなでした。
流れに乗った我々は、おとなり富山のワイナリー、セイズ・ファームに流れ込むことに。2年前のフィガロ「ニッポンの小さな旅リスト。」でも紹介していることもあり、勝手にご縁を感じていました。醸造家の田向俊さんもいらしていたのでプチインタビュー。日本ではまだ泊れるワイナリーは少ないですが、田向さんは「料理含め、その土地のものを全部味わってほしいから」と宿泊施設も経営。考えてみれば、ワインは「テロワール」と言いますが、これもやはり、その土地、その土壌に紐付いたもの。セイズ・ファームのシャルドネ、氷見の海を彷彿とさせるすっきりとした酸味が心地よかったです。(氷見、行ったことないですがイメージです……)
途中からメモの存在も忘れ、全部で何種トライ出来たのか明確なことはわかりかねますが、少なくとも20種はいただきました。日本ワインとは……とまとめることもひとくくりにすることは難しいですが、フランスやイタリアと違い、行ったことある土地のものだと親近感もわきますし、イメージしやすいところも日本人には有利な気がします。今回は特に、造り手の方と直接話ができたのがいちばんの収穫でした。
ちなみに、数日後に行った伊勢丹新宿店の「世界を旅するワイン展」でも日本ブースは大人気。ワイン後発隊だからこそののびしろを、感じずにはいられません。とにもかくにも、「いま日本ワインがおもしろい」のは間違いありません。
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