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栗山愛以の勝手にファッション談義。

「ネクスト・イン・ファッション」にみる、リアリティ番組のこと。

先月末Netflixで配信されたばかりの「ネクスト・イン・ファッション」を見終わった。
出場者たちがテーマに沿った服を製作し、審査されて毎回数名脱落して、最終的に勝者が1名決定する、というもの。ファッションに限らずこうしたシステムの番組は多々あるし(このブログで触れた「ル・ポールのドラァグ・レース」とか)、あいにく見たことがないのだがかの「プロジェクト・ランウェイ」も同様の感じらしい。そんなありきたりな番組なのに、最後まで見てしまったのはなぜか。

このたびはその理由、つまりは「ネクスト・イン・ファッション」の魅力をみなさまにお知らせしたいと思う。

まずはホストや審査員になじみがある人が多いことである。誰に、って私になのだが。

たいていこういうファッション番組には、あんたにそんなえらそうなこと言われたくないわ! とテレビの前で声を上げてしまいそうな、口が達者なだけでモードの潮流からずれた人々がキャスティングされがちなのだが、こちらはまずホストがタン・フランスとアレクサ・チャン。「クィア・アイ」も全部見ちゃったので、Netflix好きとしてはそのファッション担当のタンは合格で、アレクサもモード界の中心にいるセレブだし見栄えもいいので問題ない。

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審査員は、クリストファー・ケインはじめ、トミー・ヒルフィガー、フィリップ・リム、パブリック スクール、パイアー・モス、そしてインスタグラムのエヴァ・チェンなど、まあまあの人選。毎回出てくるセレブスタイリスト、エリザベス・スチュワートのありがたみはあんまり感じないのだが、Netflix「スタイリング・ハリウッド」で私生活を披露しているセレブスタイリスト、ジェイソン・ボールデンの出演はうれしかった。

次に挙げたいのは、出場者が皆ブランドを持っているなど、プロである点。
こういう大会は学生など、プロをめざす素人が対象になるのが常で、荒削りすぎて、青田買いでもする意欲でもなければそれについていく根気がなくなりがち。「ネクスト・イン・ファッション」は、有名ではないだけで皆プロなので、レベルがまあまあ高いし、エンターテインメントとして見ていられるのだ。

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優勝の特典もなかなかいい。
賞金は25万ドル(約2,700万円!)で、ECサイト、ネッタポルテでコレクションが販売される。そして、先日のNYコレクションで優勝者のお披露目パーティも行なわれたようだ。モード界に直結したレールが引かれているような気がするし、世界各国で配信され、デザイナーの人となりも伝わる。相当なPR効果もあるはずだ。

ただ、疑問に思った点もある。

2人1組になったり、テーマが決められていたり、2日間で仕上げなければならなかったりすることだ。

普通ではあり得ない、よく知らないデザイナーとのコラボでどんどん振り落とされていくのはどうなんだろう。
コレクションのテーマを決めることもブランドのセンスや先見の明がわかる大事な要素なのに、「ストリートウェア」やら、「ロック」やら、「ミリタリー」やら、いまそれがインなのかどうかわからないキーワードを与えていくのはいかがなものか。テーマを設けないとエピソードが続いていかないのはわかるのだが。まだ、「レッドカーペット」といったシチュエーションの方がいいような。たとえば、「ビリー・アイリッシュの衣装」とか、「〇〇の制服」とか?!

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通常は半年期間があり、早く作れたからいい、というわけではないし、服づくりはパタンナーや生産管理などいろいろな担当から成り立っているため、ディレクションする力が重要なところもある。それをデザイナーだけで2日間でやり遂げさせるのは、プロである彼らの今後に何か役に立つんだろうか。

ともあれ、おおむね興味深く拝見したので、改良できるところはそうしていただきつつ、シーズン2を期待したいと思います!
そして、ファッションは水物なので、できれば撮影から半年以内に配信してもらいたいな……

栗山愛以

ファッションをこよなく愛するモードなライター/エディター。辛口の愛あるコメントとイラストにファンが多数。多くの雑誌やWEBで活躍中。

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