おいしい料理求めて、まりモグがゆく。

フランス レストランウィーク開催間近! 気になる注目店は?

毎年恒例のダイナースクラブ フランス レストランウィーク。2020年も9/25~10/14までの20日間開催されることが決定し、予約受け付けもスタートしています。

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もう10年目となるのでご存知の方も多いかと思いますが、協賛店となるフレンチレストランで、ランチ・ディナーが2,500円、5,000円、8,000円(すべて税・サ込)で提供されるという食いしん坊にはたまらない美味な祭典。今年のテーマは「トレ・ボン! 日本のテロワール」。それぞれのシェフが、和食材にフォーカスしつつ、気軽にフランス料理を楽しんでもらおうと取り組んでいます。

現在発売中のフィガロの「旬を愛でる、秋グルメ辞典。」でも紹介しているタンモアの田中いずみシェフなど、15名のフォーカスシェフが出揃う中、サンプリシテの相原薫シェフのお料理を実際にいただきました。

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代官山のサンプリシテといえば、魚のおいしさを最大限に引き出した、食後感の軽いフレンチレストラン。2018年のオープンから、瞬く間に予約の取りづらい人気店になりました。特に、五島列島の林鮮魚店から届く放血神経締めの魚は、旨味も食感も格別。相原シェフの料理はすべて、調理される前の段階から丁寧かつ緻密に下ごしらえされていて、それがお料理を食べた時の感動に繋がります。

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いただいたお料理は、夏のものなので実際にレストランウィークで提供されるものとは異なりますが、相原シェフの世界観を存分に堪能できました。

たとえばアミューズブーシュの「玉手箱」。箱を開けると、燻製香の中からツヤツヤのイワシがお目見えします。焼きネギとの相性もよく、食欲がわいてきます。

その後に続く「毛ガニ グレープフルーツ」は、爽やかな逸品でした。丁寧にほぐされたカニの身とコンソメ、グレープフルーツの酸味が口いっぱいに広がり、そこにカラスミの塩気と旨味が追いかけます。

相原シェフは、昆布やマグロ節、塩麹など和の素材を上手に取り入れた料理も多いので、食べ手にとっては、どことなく和食を食べているような安心感と軽やかさがあります。

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……と思っていたところに「ムール モンサンミッシェル」が登場。

小ぶりながら旨味あふれるムール貝に、フレッシュなトマトの酸味、ジャガイモのピューレ。バターのコクもしっかりと感じられる、フレンチを感じるひと皿。その美しい見た目から気づかなかったのですが、よくよく考えたらフランスやベルギーで食べたことのあるあのムール貝料理。フライドポテトが添えてあるのが定番ですが、こうして再構築された料理を食べるとなんだか新鮮。バケツのような大鍋や大皿に盛られているのも楽しいけれど、何よりも食べやすい! 

さらに「明石 真ダイ」が登場し、濃い魚の味をしみじみ実感。黄色いルイユソースがしかれ、なんだか南仏でブイヤベースを食べているような気分に。

もちろん「岩手 石黒 ホロホロ鳥」など肉料理も登場。マグロ節、昆布、イリコ出汁を加えたマデイラ&赤ワインソースでいただくホロホロ鳥は目が覚めるようなおいしさなのですが、全体を通してやはり印象深いのは魚。相原シェフにその背景を伺いました。

「日本の食材を使うと、食材そのものがとても繊細なので、出汁などでその味を引き出してあげないといけません。魚をねかせることで食感をプリプリさせたり、たとえば修業先のブルターニュで食べた魚料理を再現するには、さまざまな下ごしらえや手間が必要なんです」

そうして食材そのものとじっくり向き合ってこそ生み出される珠玉の料理の数々。その真骨頂はコースを味わってこそですが、フランス レストランウィークは、初めて訪れる人にとってそれを気軽に味わえる絶好の機会。

サンプリシテのほか、東京はもちろん北海道から屋久島まで、注目のレストランが540店参加するのでふだん気になっている店など、ぜひチェックしてみて。

ダイナースクラブ フランス レストランウィーク 2020
開催期間:9/25~10/14
https://francerestaurantweek.com
※予約方法は、直接参加店に電話か、公式サイト「Table Check」か「一休.comレストラン」から。 

まりモグ

幼少期から北京を拠点にアジア、欧米、太平洋の島々などを旅し、モンゴルの羊鍋からフランスのエスカルゴまで、さまざまな現地の料理を食べ歩く。特に香港は、多い時で年4回のペースで通うほどの“香港迷”。食べ過ぎ飲みすぎがたたり、28歳で逆流性胃腸炎を発症。ワイン好きが高じて、2021年にJ.S.A.認定ワインエキスパートを取得。

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