心と身体を元気にする、薬膳レシピ

秋の乾燥対策に、豚だんごのポルチーニスープ仕立てを。

長かった残暑も落ち着き、9月下旬にもなってようやく秋らしくなってきました。
秋雨前線の影響が弱まってくると、次にやってくるのが乾燥シーズンです。
そこで身体に潤いを与える豚肉を使い、和のようなイタリアンのような、秋らしいお料理をご紹介したいと思います。スープ仕立てなので、少しひんやりする夜にでも召し上がっていただきたいです。いわゆるスープ、というほど水分があるわけではないのでワインにもよく合います。

タンパク質をしっかり摂りましょう! と言われる昨今、動物性のものではお肉や卵、お魚になるわけですが、料理する際、お肉の効能の違いを考えて取り入れていますか?
スーパーで買える牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉について、今回は少し薬膳的な違いをお伝えしてみたいと思います。

牛肉は、気(エネルギー)も補いますが、血を補うのが特徴。貧血の人向けです。数値では貧血と診断されなくても、めまい、立ちくらみ、顔色が悪い、不眠、肌にツヤがないなど、中医学で貧血の症状がある人におすすめです。

豚肉は潤いを補うことと、気を補うこと。基本的にどのお肉も気を補うとされるのですが、豚肉は現代栄養学でも疲労回復に良いとされていますよね。

鶏肉は温め食材で、特にお腹を温める働きがあります。アメリカではなぜかモモ肉よりムネ肉のほうが高価なのですが、日本ではムネ肉のほうがお手頃ですし、脂肪分も少なくタンパク質豊富でヘルシーな食材なので、私はその点を考えて使い分けています。

ラム肉は鶏肉よりもさらに温め効果が高い食材。北海道のジンギスカンや中国奥地の寒い地域で食べられるだけあって抜群に身体を温めてくれます。まだまだ取り扱っているスーパーは少ないかもしれませんが、冬に見かけたらぜひ試してみてください。

……というわけで今回は乾燥シーズンにむけて豚肉をチョイス。これから旬を迎えるレンコンと代表的な秋の味覚、キノコを使ったレシピです。今回は乾燥ポルチーニを使いますが、秋らしい味を楽しんでいただけると思います。バジルもいいお仕事をしていますので、お好みですが、たっぷりと添えてみてくださいね。

レンコン入り豚だんご ポルチーニスープ仕立て

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〈材料〉2人分

豚ひき肉 150g

【A】
塩 1つまみ
酒 小さじ1

レンコン 50g

【B】
コショウ 少々
ナツメグパウダー 少々
片栗粉  小さじ1/2

ポルチーニ(乾燥) 5g
ドライトマト 1枚

【C】
塩 少々
コショウ 少々
しょうゆ 少々(小さじ1/4程度)

バジル 適宜
すだち 1個

【作り方】

  1. ポルチーニはさっと洗って水200mlに浸けて戻し、ポルチーニが柔らかくなったらみじん切りして、戻し汁ごと鍋に入れる。ドライトマトはみじん切りして鍋に加える。レンコンはみじん切りするが、食感のために5mmくらいの角切りも交えて細かいものと大きめのものができるように切る。
  2. 大きめのボウルに豚ひき肉と【A】を入れて練り、【B】と1のレンコンを加えてさらに混ぜ合わせる。
  3. 1の鍋を火にかけ、沸いたら【C】を加え、2を4等分して俵型に丸めて加え、ふたをして7分ほど蒸し煮する。途中、裏返す。
  4. 3のおだんごに火が通ったら器に盛り、バジルとすだちを添える。
     

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ちづかみゆき

料理家・国際中医薬膳師。身体を壊したことがきっかけで薬膳を学び資格を取得。上海、ボストンで活動後、東京に拠点を移す。旬食材の効能を活かした心と身体に寄り添うレシピを提案。料理教室meixue(メイシュエ)主宰。雑誌、企業へのレシピ提供、コラム執筆などを行う。近著に「暮らしの図鑑 薬膳」「巣ごもりごはん便利帳」など。
http://meixue.jp
Instagram: @miyukichizuka

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