心と身体を元気にする、薬膳レシピ

寒暖差ストレスに、酸味の効いた「シシャモのエスカベッシュ」を。

春は"風"が特徴の季節ではあるのですが、このところの風、ちょっと強すぎやしませんかね?? 寒暖差もひどいですし、本当に年々気象が激しくなっていて身体がついていけない。

そんなわけで前回に引き続き今回も、春の寒暖差や気象の激しさがもたらす身体的ストレスに寄り添うレシピを。シシャモのエスカベッシュ、洋風南蛮漬けのようなお料理です。急に温かくなった日には、ふわーっと落ち着かない感じになることもありますよね。酸味のあるお料理が、そんなフワフワした心身をキュッと引き締めて落ち着かせます。この時期の食事にはぜひ適度に酸味を摂り入れてみてください。

4月になって新しい生活が始まった人もいらっしゃるかもしれませんが(私も!)、ワクワクする反面、精神的なストレスになっていることも。そんな人にもおすすめのレシピです。週末にでもワイン片手にリラックスしながら楽しんでいただけたらうれしいです。

さて五臓六腑の中でこの時期傷めやすいのが肝。のびのびした状態を好む臓器なので、ストレスの影響を受けやすいのです。肝は精神や自律神経と大きな関わりがあるため、未病のうちにケアしていきましょう。

肝をケアする食材を中心にチョイスしたのは、シシャモ、セロリ、トマトに旬の新タマネギと甘夏。シシャモには肝血を補って肝の機能を正常に導く働きがありますし、セロリやトマトは急に暖かくなった日などに気が上って肝気が乱れたことで起きるめまい、イライラ、怒りっぽいなどの症状を鎮める働き、タマネギや甘夏(柑橘)にはストレスで滞りがちな気を巡らせる働きがあります。ストレスで食欲がわかない、消化できずに胃もたれする、といったひとにはトマトや柑橘が助けてくれます。

ところで最近地味に驚いたのが、5尾でパックされたシシャモが売られていたこと。10尾が常識だと思っていたので、さすが東京だーと感心してしまいました。ひとり暮らしだってシシャモ、食べたくなりますもんね。

とはいえ10尾パック売りが多いと思うので、その場合はすべて倍量にして作っていただければ。3~4日は日持ちします。また、オスだけパックもありましたよ。私はやはり子持ちのメスを手に取ってしまいますが、おいしい子持ちシシャモにも1点だけ注意事項が。揚げる際に破裂して油が跳ねることがあるのです。油跳ねが怖い人はオスを選んでいただいたら、跳ねる可能性はぐっと低くなるかと思います。お好みで選んでくださいね。

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シシャモのエスカベッシュ

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【材料】2人分

シシャモ(一夜干し) 5尾
薄力粉 小さじ1/2
揚げ油 適量
セロリ 1/2本 
新タマネギ 小1/2個
ミニトマト 5個
甘夏(デコポンやグレープフルーツなど他の柑橘でも) 1/2個

A
鷹の爪 小1/4本(適当にちぎる)
米酢 大さじ2
きび砂糖 大さじ1/2
ナンプラー 小さじ1/2
塩 少々
水 大さじ4

【作り方】

1. セロリの茎は斜めに薄切りし、葉は粗く刻む。新タマネギは繊維に沿って薄切りし、ミニトマトはそれぞれ4等分に切り、甘夏は薄皮から出して適当にほぐす。ポリ袋にシシャモと薄力粉を入れ、空気を入れてから口を塞いで振り、まんべんなく粉をまぶす。
2. 鍋にAを入れて火にかけ、ふつふつと沸いてきたらセロリの茎と新タマネギを加えて火からおろし、よく混ぜる。しんなりしてきたらミニトマト、甘夏、セロリの葉を加えてよく混ぜ合わせる。(10分程度置いてなじませる)
3. フライパンに深さ1cmのところまで油を入れて180℃に熱し、シシャモを色よく揚げて油を切る。深型のバットやホーローの保存容器などに2と交互に重ねて入れ、マリネする。

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ちづかみゆき

料理家・国際中医薬膳師。身体を壊したことがきっかけで薬膳を学び資格を取得。上海、ボストンで活動後、東京に拠点を移す。旬食材の効能を活かした心と身体に寄り添うレシピを提案。料理教室meixue(メイシュエ)主宰。雑誌、企業へのレシピ提供、コラム執筆などを行う。近著に「暮らしの図鑑 薬膳」「巣ごもりごはん便利帳」など。
http://meixue.jp
Instagram: @miyukichizuka

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