時短で作るグラタンのためのスクエア皿。
これは伊藤丈浩さんのスリップウェア。スリップウェアとは、陶器の素地に「泥漿(でいしょう)状の釉薬 =スリップ」をかけ装飾文様を施した陶器のことで、古くは17~18世紀イギリスの陶器にみられた技法だ。このストライプ模様は、土色の泥漿を流した上に、スポイトに入れた白い泥漿を行ったり来たりさせることで生まれる。文字ではちょっと分かりにくいこの技法をお好み焼きで説明してくれた人がいた。たっぷり塗ったソースにマヨネーズを重ねた時の色が混じり合う様子を想像するとよくわかるはずだ。うつわ自体がすでに美味しそう。この角皿は息子たちの爆食いメニュー「ヤンソンさんのポテトグラタン(=ポテトとアンチョビのオーブン焼き)」によく合うので、耐熱ではないが使っている。薄切りのジャガイモの層の間に炒めた玉ねぎとアンチョビをはさみ、生クリームを注いで焼くだけなのに、箸が止まらないほど美味しいこの料理は、あらかじめ具に火を通しているので、オーブンではなくトースターで焼き色をつける程度で出来上がる。よって耐熱器ほど熱に強くなくともOKなのだ。ところで、かつてイギリスの家庭で日常使いされたといわれる元祖スリップウェアもおもにオーブン料理に使われました。
[ある日のうつわ]
ヤンソンさんのポテトグラタン。グラタン皿はオーブンやトースターと庫内と同じ角型派です。
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作り手:伊藤丈浩 @itomashiko
購入した年:2010年頃
購入場所:SML @sml_nakameguro
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