
家庭料理を美人に見せる青磁色。
これは安齋新・厚子さんの青磁の菊花皿とリムプレート。
安齋さんの青磁色は、すこし暗めの自然光のもとにある姿が美しい。そんなことに気づいたのは、取材で当時加賀にあった蔵造りのご自宅にうかがった時だった。
その日の空は薄曇りで、格子戸から注ぐ光が作品をしっとりと照らし、河瀬直美の映画のワンシーンのように美しかった。安齋さんの青磁色は、家庭料理をとても上品に見せてくれる。菊花皿は見込みから輪花の花弁まで一貫して薄手で可憐なので、その繊細さとグラデーションをなす、クラムチャウダーとか、れんこんとネギの蒸し物なんていう静かな色味の献立がいい。
リムプレートは、ほとんど段差のないフラットな面がメンチカツ、ポークソテーなんていう「かあちゃんの手料理」を、洋食屋の一皿のごとくクリーンに、美人に見せてくれて、料理が上手になった気分になる。来客時には、ふたつを重ねるといい。簡単な料理であろうとも、ワインが似合う絶世の美女にしてくれるから。
[ある日のうつわ]
うつわの色とグラデーションを生むクリーミーな料理がおすすめ。
簡単すぎる青菜のオイル蒸しが、美人に〜。
うちの男児が喜ぶので夕飯はついつい揚げ物ですが、ニュアンスのある青磁プレートのおかげで綺麗に盛り付けできます。ありがたや。
うつわディクショナリー#48 その一枚をずっと愛したい、安齋新さん、厚子さんのうつわ
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