おしゃべりなうつわ

朝ごはんは白くないお皿で。松本かおるさんの焼締プレート。

240731_utsuwa_matsumotokaoru_01.jpgこれは松本かおるさんのプレート。備前の土を使った無釉の焼締(やきしめ)陶器だ。「テラコッタがお皿になったみたいなところが好き」とずっと言ってきたのは「テラコッタ=素焼きのタイルや植木鉢」と思っていたからだけれど、改めて「テラコッタ」という言葉を調べてみたら「素焼きの陶器」の意味だった。はふ。このプレートは素焼きのあと、釉薬をかけずに本焼きしている。それはさておき、超フラットかつ、少しだけふちが上がっているこの形は、フライパンで焼いたものをひっくり返して盛りつけたいときに、ものすごく役にたつ。20センチのフライパンよりほんの少し大きいサイズ感で、円形に並べて焼いた餃子、ちぢみ、かぼちゃの千切りやれんこんの輪切りを少量の小麦粉とマヨネーズで和えて焼き、ピザ用チーズをかぶせてパリパリに焼いたかぼちゃチーズやレンコンチーズ、パンケーキ、ワッフル、クレープ......なんでもござれ、華麗に上下がひっくり返るのであった。テラコッタ色と素朴な粉もの料理の相性の良さは言わずもがな。朝に、夕に、よく使う。

[ある日のうつわ]

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チーズがカリカリと焼けてきたら、このプレートでフライパンに蓋をしてひっくり返す。今日も上手くいきました。

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パンとかホットケーキの朝ごはんって、白いお皿に盛りつけがちだけれど、このお皿が来てからというもの、朝は白くない我が家。テラコッタの色味が眼にやさしくて、ほっとする。

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作り手:松本かおる
購入した年:2011年頃
購入場所:イコッカ

>>[うつわディクショナリー]うつわって気持ちいい!松本かおるさんが教えてくれること

衣奈彩子

ライター/ 編集者

子育てをきっかけにふつうのごはんを美味しく見せてくれる手仕事のうつわにのめり込んだら、テーブルの上でうつわ作家たちがおしゃべりしているようで賑やかで。献立の悩みもワンオペ家事の苦労もどこへやら、毎日が明るくなった。「おしゃべりなうつわ」は、私を支えるうちのうつわの記録です。著書『うつわディクショナリー』(CCCメディアハウス)
Instagram:@enasaiko 衣奈彩子のウェブマガジン https://contain.jp/

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