おしゃべりなうつわ

蒸し暑い日に氷を浮かべて使う、丸田宗一廊さんのコップ。

240731_maruta-soichiro_01.jpgこれは丸田宗一廊さんのコップ。湯のみだけれど「コップ展」に出ていたのでコップと呼んでいる。友人がこれで冷水をふるまってくれた景色がとてもよく、真似して同じものを購入した。蒸し暑い真夏にこの青磁に水を張り氷を浮かべると、水が文字通り水色に見えるような気がした。はじめて経験する清涼感だった。ギャラリーの店主が「湯のみ」から「コップ」に呼び名を変えて紹介してくれたおかげで、用途の固定観念がほぐれ、使い方がひろがったうつわのいい例だ。細長い筒型なので、香りが真上に立ち上がるという意味では、すこし主張のあるお茶にも適している。たとえば、ふくぎ茶(くろもじのお茶)とかね。

[ある日のうつわ]

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光の加減で水が薄水色に見える瞬間があると、生活の合間にご褒美をもらった気分になる。

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濃いめにいれたふくぎ茶と。同じく磁器の片口(田淵太郎)や小皿(松本郁美)に合わせるのが好き。

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作り手:丸田宗一廊
購入した年:2021年
購入場所:lapinart

衣奈彩子

ライター/ 編集者

子育てをきっかけにふつうのごはんを美味しく見せてくれる手仕事のうつわにのめり込んだら、テーブルの上でうつわ作家たちがおしゃべりしているようで賑やかで。献立の悩みもワンオペ家事の苦労もどこへやら、毎日が明るくなった。「おしゃべりなうつわ」は、私を支えるうちのうつわの記録です。著書『うつわディクショナリー』(CCCメディアハウス)
Instagram:@enasaiko 衣奈彩子のウェブマガジン https://contain.jp/

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