
春だから、花咲くうつわ。
これは浜野まゆみさんの豆皿。
桔梗? 桜? のモチーフで春になると無性に使いたくなる。
手のひらに包めるほど小さいながら、細部までとても丁寧にかたちづくられて可愛らしい。花びらのふちに指を当てるとキリッとしたエッジのつくりが感じられて、品格さえ感じられる。
裏返すと高台まで花型! 粘土を細く紐状にして高台にしていく「糸切り高台」という技法だという。「なんと細やかで、手間のかかるお仕事。よくぞ、生まれてきてくれたねえ」と愛おしくなって即決。複数枚重ねた様も綺麗だったので、4枚いただいた。
あのとき感じた愛おしさは、使う度によみがえってきるのだから、うつわとは奥深いものだ。毎回、何かを盛りつける前にひっくり返しては、高台まで眺めて「ほんと、生まれてきてくれてありがとう」みたいな気持ちになっている。なんのこっちゃ。日常よりちょっともったいぶって、記念日や行事の食卓、お茶の時間に大切に使っている。
和食器を揃えで購入するなら5客が通例だけれど、食器棚の容量には限りがあるし、4人家族なら4枚とか2枚とか、偶数で揃えるのが使いやすいと思う。
[ある日のうつわ]
中国茶の時間に春の花びらを添えるイメージで。
---fadeinpager---
作り手:浜野まゆみ @hamano_mayumi
購入した年:2016年頃
購入場所:銀座 日々 @ginza_nichinichi
ARCHIVE
MONTHLY
BRAND SPECIAL
Ranking