
お惣菜をちょこっとのせたい色絵小皿。
これは伊藤聡信さんの色絵小皿。
かつて西荻窪にあったうつわ店「魯山」にて色違いで4枚買い求めたのは、ピンク、イエロー、パープルという色の組み合わせがあまりにもかわいかったから。色絵といえば、日本には有田や九谷という産地があり、伝統的には朱や呉須、緑を基調としているけれど、それとはまったく異なるパステル調の色合わせがとてもいい。
あるとき、伊藤さんに配色についてうかがったことがある(うつわディクショナリー#02伊藤聡信さんの色、いろいろ)。古いものが好きで各国の陶磁器を見るうちに、中国にもベトナムにもヨーロッパにも存在する絵付けの多様さにひかれ、文様、色、形を自分の中で自由に組み替えて作品にすることが楽しくなったのだそう。なるほど、ベトナムのバッシャン焼きやマイセンの磁器には、これに近い配色があるかもしれない。とはいえ、きりっとした赤い線で全体のやわらかさを引き締めるなど、ほかのどこにもない構図と色。古今東西の色絵文化がアイデアソースとなり、巡り巡ってここ日本で新しい作風が生まれているとはたのもしい。
線がぼんやりしていたり、柔らかかったりするのは、絵柄を彫ったハンコを作り、スタンプすることで模様を描く「印判(いんばん)」という技法だから。ゆるゆるとした雰囲気にあわせて、ぷるぷるの小籠包をのせる使い方が一番気に入っている。
[ある日のうつわ]
熱々の小籠包を小皿の上でちょっと冷まして、お醤油と生姜を少々。わんこそばみたいに何度ものせては、口に運ぶ。
伊万里の色絵皿とターコイズブルーの小皿の隣に並べて色柄ミックスのお惣菜ちょこちょこ食べ。
おもてなしのテーブルにて。サイズ違いの和食器を重ねる簡単で特別なテーブルセッティングの中心に。
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作り手:伊藤聡信 @itoakinobu
購入した年:2013年ごろ
購入場所:魯山
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