
麗しのヴェネチア Part.2
1908年に建設されたホテル・エクセルシオールに足を踏み入れた瞬間、そのスケール感に思い起こしたのがリリアン・ギッシュが出演していた無声映画の壮大なセット。(Part 1はこちら)
どこもかしこも天井が高く、広々とした中庭はもはや宮殿。
1910年代の建築や芸術は『見る者を圧倒する』ことを目的としていたので、当時は
『壮大さこそ贅沢』
がトレンドだったらしい。エクセルシオールはまさにその時代の美学を汲んでいるのでしょうね。


チェックインして部屋に入ると、窓際のテーブルにワインのサービスが。ゲスト全員にもれなく提供されるのだろうけれど、ちょうど誕生日だったので二度うれしい。



2年前のバースデーにデザイナーご本人からプレゼントしてもらったEdeltrud Hofmannのシルクブラウス
着替えた後、再びスタンリー・トゥッチ似のドライバーが運転する水上タクシーに15分乗ってヴェニスへ向かう。

ヴェニス島ではなくリド島のホテルに宿泊すると聞いた際は、正直
『本島から離れて不便なのでは?』
という懸念していたのだけど、実際はこの15分の船旅こそがメインイベント。水平線の彼方からゆっくりと壮大な姿を現すヴェニスの光景は、まさに映画のワンシーンのように壮大で胸が高鳴る!


ヴェニスに着いてみると、人、人、人!こんなに密度の高い場所に来たのは結構久しぶりかも。
オーバーツーリズムへの対策で、ヴェニスではピークシーズンの観光客に対して1日につき5ユーロの入場料を課す施策を導入中。私たちもイギリス出国前にネットで払ったので、ヴェニスに上陸した時にQRコードを提示とかするのかな?と思ってたのだけど、そんな人員はどこにも見当たらない。あとでホテルのフロントに確認したところ、係員は船着場で「ランダムにチェックを行っている」そうで、私たちはただラッキーだっただけらしい(眉唾)。
西日が当たるゴールデンアワーが最も美しいと聞いていたサン・マルコ寺院の1000年ものの優美なビザンチンスタイルのモザイク。当時の職人達のクラフトマンシップと信仰心の生み出した集大成に、しばし感動。
そこからディナーを予約したリストランテまで、石畳の路地をゆっくり散歩。

可愛い日本人の女の子二人組に遭遇



夕暮れ時のヴェネツィアが醸し出す絵画的な美しさにどっぷり浸かる。



サン・マルコ広場の喧騒を離れたエリアで見つけた、地元民で賑わうバーカロでアペリティーボ。
右のカンパリ・スプリッツ=プロセッコ + ビター系リキュール + ソーダ水で、ほんのり苦くて絶妙な味。
左はプロセッコ+ピーチジュース=ベリーニの上品な甘さ。洗練された味わいの旅情あふれるアペリティーボをちびちび飲みながら、夫と義妹夫婦の四人で語らう穏やかな夕暮れ時。話題はいつしか、マドンナが「パパ・ドント・プリーチ」のビデオで着ていたTシャツ、
『Italians do it better(イタリア人には敵わない)』
になる。(で、BF役の男の子が可愛かった事も思い出す)
今更ながらそのメッセージが腑に落ちるのはやっぱり、イギリスの夏の定番ドリンクが「ラガービール+スプライト」という、大ざっぱ極まりないシャンディだからかもしれない。マドンナは正しかった 出典:It's all Madonna's fault
ディナーは、運河沿いにある老舗、義妹のお気に入りのリストランテVini de Gigioへ。こういう年季の入った雰囲気のシックなレストランがやっぱり○。
タコがメニューにあれば必ずオーダーする
ヴェニス名物の一つ、タラのペーストとポレンタ=バッカラ・マンテカート
良いレストランでは大体ハウスワインをオーダーすることにしているのだけど、ここのハウスホワイトが非常に美味しかった。もう一つ印象的だったのが、バスルームにあったペダルを踏んで蛇口から水が出るタップ。手を触れずに水を出せるレトロ且つ衛生的なデザインにも『Italians do it better・・・』と唸る。
リド島へと帰る水上タクシーの船上から見た夕陽がまたもやプライスレスでした。
Part 3へ続く。
Vini da Gigio https://vinidagigio.it/en/home-page-en/
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