貴族の館でのアワード・セレモニー
ロンドンで開催されたアワード・セレモニーに出席して来ました。会場は、1895年にウィリアム・アスター卿の住居兼オフィスとして建てられた邸宅であるトゥー・テンプル・プレース。
公式ウェブサイトより
このアメリカ人のアスター卿、当時『世界一のお金持ち』と謳われていた方。
ニューヨークには彼の名前が付いた場所やらホテルやら沢山ありますが、うちの近所にあるヒーヴァー城も彼の所有していたお城です。
イタリアの美に陶酔していた彼が、1000人の庭師と膨大なお金を注いで創り上げたイタリア式のバラ園は今日でも美しく健在。(去年訪れたときの記事)そんな彼の邸宅だったスペースでアワードに出席できるとはなんとも光栄です。
スタッフの方にお話を聞いたところ、このアスター卿なんでも実の叔母と折り合いが悪かったらしくて、彼女の住んでいたビルのすぐ横に更に13階高いウォルドーフ・ホテルを建てて、わざと日当たりを悪くしたのだとか。
スケールの大きすぎるイビリです。
そんなアスター卿のことを調べていたら、夫がアスター家の御子孫(このウィリアムの孫の孫あたりか?)と大学時代に友人だったと教えてくれました。
「どうして今も連絡取り合ってないの!」と悪態を吐いたのは言うまでもありません。
話を戻してディナーのテーブルプランをみたところ、私の両端の席には大きな会社のトップの方の名前が。嫌な汗出てきましたが、話してみるとどちらの方もとても気さくな方でホッと一息。
右隣に座っていた初老の男性は、20歳のとき自分の母親に「そろそろ仕事しなさい!」と新聞の求人広告の切り抜きを渡されて、渋々面接へ出かけた会社に勤め出して、45年後の今ではその会社のCEOという方。
左隣の女性は今までに会社の転勤で7カ国を駐在した人物で、先月ハワイからロンドンに引っ越してきたのだそう。「ロンドンに海はないけど、豊かな文化があるから耐えられる」と仰ってました。
お喋りとインテリア鑑賞に熱中してしまってろくにスピーチも聞いていない&もちろん何も受賞してませんが、右隣のおじさまが
『More champagne for this young lady (このヤングレディにもっとシャンパンを)!』
と夜通しオーダーしてくれたので良い気分で家路についた私です。
Two Temple Place
London WC2R 3BD
ARCHIVE
MONTHLY