Butterdrop Diary 『ロンドン郊外のカントリーライフ』

カタルーニャの夏休み Part 1

今年の夏休みはスペインのカタロニア地方へ。もちろん飛行機で行くと思い込んでいたら、運転好きの夫が

「北スペインだから車で行ける距離だな」と言い出した。

コーンウォールもスコットランドも車で行くギャンブル家ですが、さすがにスペインは遠すぎやしないか・・・と懸念していたところ、

「途中でフランスのどこかの街で一泊して」と言う魔法の言葉が。

フランスの風景&スーパーマーケット&薬局巡りが大好物の私としては、目的地までの1500キロの車の旅が突如楽しい冒険に変身。

しかも今回は、いつものユーロトンネルではなくフェリーに乗って国境を越えることになった。私は1分でも早くフランスに着きたいのでユーロトンネル派なのだけど、夫は

「旅情に溢れる」フェリーの旅が好きな人。トンネル貫通前の、幼少時代の家族旅行を思い出すらしい。

そんな訳で早朝にドーバー海峡からフェリーに乗って客室に腰を下ろしたところ、茨城県で4年間育った子供たちが一斉に

「COCO'Sみたい!」。

確かにこの照明といい、椅子といい、絨毯から色の組み合わせといい、ココス感全開ではないの。子供の視線というのは興味深い。

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ドリンク・バー探しそうになった

海に浮かぶ90分のココスを後にして、フランスの港カレーに着いてから数時間運転。Chazeay D'Azerguesというリヨン近くの小さな街で、待ち合わせしていた義妹ファミリーと落ち合う。

タウンスクエアにあるカフェでアペロと軽い夕食。フランス語でいろいろ注文したい夫と、英語で対応したい若いウェイターさんとの、ちぐはぐなやり取りをつまみに冷えたロゼを飲む。

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結局両者譲らず、最後まで続いた英人の仏語と仏人の英語での奇妙な会話
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フランスの家のシャッターの可愛さよ
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ホテルの窓から

次の朝に出発してもうすぐスペイン国境という場所で、息子がいきなり

「ゲーム・オブ・スローンズ だ!」

と叫ぶので何かと思えば、車窓の向こうに忽然と楼閣が姿を現した。 その荘厳な佇まいに息を呑んで&スマホの存在を忘れて、目に焼き付けるだけで精一杯。写真ではわからないけど、遠近感がバグる&畏怖を覚える立ち姿。

調べてみたら、サルス・ル・シャトーというカタルーニャ地方を守るために15世紀に建築された城塞都市だという。そしてこんなスケールの大きさなのにも関わらず、1642年にはフランスに占領されてしまったのだとか。まったく予期しなかった景色&壮大な世界史の片鱗が見られるのも、車の旅の醍醐味であります。Screenshot 2024-08-27 at 10.22.43.png

出典:Petite Fute

アンドラ公国を横目で見ながらスペインに入って、夕方にやっとコスタ・ブラヴァに到着。

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窓からの眺め
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南欧の夏の真骨頂、イギリスでは決して味わえないジリジリと肌を焼き付ける灼熱とセミの鳴き声に二日間の車の旅の疲れも癒されます(とか言う1センチも運転していない自分)。

次の日はPalamosのビーチへ。駐車場からすぐ近くのビーチなので、こんがり日焼けした祖父母が孫と来てる微笑ましい姿を多く見かけた。

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パラモスは、このエリアでしか獲れない赤海老が有名。地元のCan Blauは滞在中の最初に訪れたレストランなのだけど、旅の最後に気づいてみたら今回行った全てのレストランの中で一番美味しかった。


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次の日に訪れたのはCastelleのビーチ。ここは駐車場から15分くらい歩くので、若い家族連れが多かった。IMG_0343.jpegIMG_0333.jpeg
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海の家の軽食なのに、イワシのフリッターとかイカのグリルが食べれて涙もの。値段も安い。
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海から帰ってきて夕食後にはプールで泳いだり、ボードゲームしたり、読書したり。このバカンス中はタブレットやスマホ禁止令を通達して、アナログな時間を過ごすと決めてきたのでした。
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Part 2に続く。

 

ギャンブル五月

ニューヨーク州立大学卒業後、ウェストヴィレッジのマグノリア・ベーカリー本店にて6年間腕を磨く。ロックバンドのメンバーとして2度の全米ツアー後、渡英。現在は、田園風景が広がるロンドン郊外はケント地方、『Garden of England(イギリスの庭)』に暮らす。著書に『ニューヨーク仕込みのカップケーキデコレーション』『イギリスから届いたカップケーキデコレーション』(SHC)。日本カップケーキアカデミー代表。
Instagram:@satskigamble

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