デコラトリスによる洗練探しの旅

コート・ダジュール「ロスチャイルド家」のヴィラへ

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唐突ですが、この夏印象的だったクラシックインテリア。

フレンチリヴィエラにあるロスチャイルド家別荘のルネサンス様式のパティオで、フィレンツエとセヴィリアの宮殿から取り寄せたものを融合させています。

仕事納めや大掃除に慌ただしくお過ごしの皆様に逆行するかのようですが、今回は夏の思い出を綴りたいと思います。

サンクトペテルブルグのことを何度かお書きしているため、夏のバカンスはロシア?と聞かれることが多いのですが

夏旅のメインはコート・ダジュールで、ロシアには帰路に3日間だけ寄り道してきました。

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ニースからサンクトペテルブルグまでは直行便で4時間ほど。

ニース空港のラウンジで、ラストミニッツに見かけたウオーターサーバーには、レモンとオレンジのスライスが。

地中海の香りを名残惜しんでいるうちに飛行機はロシアに到着。意外にアクセスしやすいのです。

 

さて、前回、16,7世紀にヨーロッパのセレブリティの間で東洋趣味をインテリアに取り入れることが流行したということを少しお書きしましました。

歴史あるシャトーやヴィラなどのインテリアを見ていると、デコラティヴな西洋建築の中に、中国の陶磁器や日本の螺鈿等東洋のものを見ることが多々あります。

そういえば、時代背景は異なりますが、今回の旅でもそんな光景がいくつか。

例えば、コート・ダジュールにある「ロスチャイルド家の別荘 Villa and Jardins Ephussi de Rothchild」のインテリアもそうでした。

Rothschild は英語、フランス語など読み方が異なりますが、日本で一般的な「ロスチャイルド」で統一させて頂きます。)

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ヨーロッパを代表する大富豪ロスチャイルド家のヴィラがあるのは、高台の別荘地 Beaulieu-sur-Merボーリュー=シュル=メール。

コートダジュールの中でも特に地価が高額で有名な場所に、ファミリーの礎を築いたマイアー・ロスチャイルドのひ孫にあたるベアトリス・エフルッシ・ドゥ・ロスチャイルドが、20世紀初頭に建設。

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敷地に入り坂を上りきると、優美なイタリアンパラッツオを彷彿させる建物にようやく出会えます。

果てしなく広がる紺碧の空とペールピンクの漆喰壁のコントラストは、まさに南欧ならではの美しさ!

パリで乗り換え深夜到着の翌日、早起きして出かけましたが、そんな旅の疲れは微塵にも感じられない景色です

ボーリューシュールメールの海が借景のようなグランサロンの主役は、ルイ16世が使っていた家具セット。

王室が最も威厳を持ち華やいだ、アンシャンレジームの頃に作られたのだそう。

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パラス「クリヨン」から譲りうけた壁装飾

ホテルの設計士とファミリーは旧知の仲だったようで、さすがネットワークも一流。

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旅をこよなく愛したベアトリスのインテリアは、小物に東洋のものもミックスさせています。

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金と黒漆を贅沢に使って描かれた衝立は、北京の王宮から。

特定の様式で統一するのではなく、当時、入手可能な最高級のものを、彼女のセンスと英知を駆使して融合させた折衷スタイルのインテリアは、エキゾチックな魅力にあふれ、とても印象深く。

ヴィラは個人の邸宅としては超一流のマスターピースばかりで、あっという間に時間は過ぎていきます。

サロン・ド・テでのランチも素晴らしく、又、ファッションやテーブルウエアのコレクションも圧巻でしたが、こちらは別の機会にお書きします。

この空間に惜しみない時間と資金を費やしたベアトリス・エフルッシ・ドゥ・ロスチャイルドの生き方にも強く興味が湧いたリヴィエラ海岸での午後。

何度目かのコートダジュール旅のご参考までに!

 

☆Villa&Jardins Ephrussi de Rothschild

https://www.villa-ephrussi.com/en/boutique/cote-dazur-jardins

 

多賀谷洋子

食空間デコレーター。雑誌編集、外資系客室乗務員を経て、テーブルコーディネーターに。ブライダルやパーティ、商業施設から個人宅まで幅広くインテリアデコレーション手がける。雑誌やレシピ本のスタイリングでも活躍。パリスタイル主宰、フランスチーズ鑑評騎士の会 チーズシュヴァリエの顔も持つ。著書「美しくなるチーズレシピ:“チーズは太らない!”ダイエットも、アンチエイジングもチーズにおまかせ!」が話題。

http://paristyle.jp/

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