デコラトリスによる洗練探しの旅

リモージュ旅「ベルナルド」本社工場見学へ

デコラトリスの多賀谷洋子です。

前回に続き、リモージュ旅レポート。1863年に創業し、今年160周年を迎えるベルナルドの本社に到着、 工場見学をアテンドしていただきます。

まずは、絵付け、転写などの装飾や検品など手作業で行われる現場へ。

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リリース前の新商品 ハイブランドや五つ星ホテル、ミシュランシェフからの受注品など、フランスのみならず世界のラグジュアリーを凝縮するかのような煌びやかな世界が広がります。

「やっぱり、あのブランドのものはそうだったのね」「あのカフェも。」そう思いつつも見なかったことにします。

コンフィデンシャルで掲載不可なもの多いのですが、限られた画像でも雰囲気が伝わると嬉しいです。

さて、こちらは、日本でも人気のあるモダンでオリエンタルなコレクション「オーゾワゾー」と「KINTSUGI」の転写で、焼成前後の様子。

オーゾワゾーは、昨年 日本橋三越本店のクリストフルショップのMDで使用させて頂きましたttps://madamefigaro.jp/blog/yoko-tagaya/post-210.html

私のテーブルサロンのレッスン生の皆様にも愛用者が多いなど、個人的にも愛着のあるコレクションの一つ。

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転写の装飾シートは、現在主流となっているのはスクリーン印刷で、ベルナルド社は組織の中にこの印刷所を運営していることも強みだとのこと。

グループ内で美の観点と品質基準が共通理念として確立されているので、効率よくクリエイティビティを維持できるのです。世界中のハイエンド顧客から受注が絶えないのも頷けます。

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続いては、創業当時からの製陶所内にある作業場見学です。

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昔のラボのような雰囲気の空間では、資料などとともに磁器の製造工程や歴史などを解説いただきました。

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カオリン、石英などの原料を混ぜ合わせた素地の製造工程や流し込みの鋳型などを拝見。
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鋳型設計者は完成品より約14%ほど大きなサイズの石膏型を製造。
というのは、磁器は、素焼き、釉薬をかけた本焼き等工程を経るごとに、水分が吸収され収縮するためです。
下は、全て同じ鋳型からのコーヒーサーバーですが、主な工程ごとのサイズ変化の様子が時系列に。
 
 
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焼成は天然ガスを使用しますが、戦争の影響で価格面で打撃を受けているのでは?代替え燃料などの検討はないのでしょうか。
 
「24時間フル活動させても、安全に一定の温度を保つことができ、かつ環境コンシャスな天然ガスではないと、ベルナルド基準に見合ったもの生産できないのです。」
だからこそ、職人さんのこだわりを、最大限に叶えることができるのですね。
 
又、磁器製造の最盛期の19世紀には、夜間炉の燃える火で街全体が明るくなり、遠くからも見えるほどだったそう。夜闇に赤く染まるリモージュの街、さぞ幻想的だったことでしょうね。
 
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ポットやカップは取っ手と別々に製造され、素焼きの段階で接着されますが、取っ手だけでもかわいくて単品でも十分に商品になりそう。
「サイズダウンさせピアスにでもしてみたら素敵なのにね」
冗談を交わしながら、最後の展示に向かいます。
 
 
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工場にいらした職人の方々は高い技術を持つエキスパート集団ですが、実に気さくに対応くださり、プライドと「ベルナルド愛」がどなたからも溢れ出ているよう。

歴史が息づく現場を丁寧に拝見し、溢れる才気とアルチザン魂が流れる空間に少しでも身を置くことができて、art de la tableを仕事でき、この上なく光栄に思いました。

そして最後に、磁器のコンテンポラリーアートともいうべき空間、「ベルナルド財団」のコレクションです。
続きは次回へ。
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多賀谷洋子

食空間デコレーター。雑誌編集、外資系客室乗務員を経て、テーブルコーディネーターに。ブライダルやパーティ、商業施設から個人宅まで幅広くインテリアデコレーション手がける。雑誌やレシピ本のスタイリングでも活躍。パリスタイル主宰、フランスチーズ鑑評騎士の会 チーズシュヴァリエの顔も持つ。著書「美しくなるチーズレシピ:“チーズは太らない!”ダイエットも、アンチエイジングもチーズにおまかせ!」が話題。

http://paristyle.jp/

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