自分が戦場にいるような緊迫感に満ちた『ダンケルク』。

Culture 2017.10.03

容赦ない敵襲にさらされた港、民間船を交えた刻々の救出劇。
『ダンケルク』

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第二次世界大戦初期、ドイツ軍によってフランス北端ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍の敗走は、1964年の同名フランス映画が戦下の恋がらみの苦い放心に結晶させた。新作での鬼才ノーランの野望は、阿鼻叫喚の海辺の英国兵救出作戦をいま渦中にいるように描き出すことだ。しかも、防波堤の兵士たちの1週間、ドーバー海峡を渡る船の1日、空中戦の1時間と、時間経過の疎密を異にする陸海空3つの物語を有機的に束ねる、という離れ業によって。絶えざる危機の重低音の槌音が掻き消える、朝の訪れが胸に迫る。

『ダンケルク』
監督・脚本/クリストファー・ノーラン
2017年、アメリカ映画 106分
配給/ワーナー・ブラザース映画
丸の内ピカデリーほか全国にて公開中
wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk

*「フィガロジャポン」2017年10月号より抜粋

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réalisation : TAKASHI GOTO

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