フィガロが選ぶ、今月の5冊 漫画家・萩尾望都が、発表していた幻のSF小説。
Culture 2017.10.17
『ピアリス』
萩尾望都著 河出書房新社刊 ¥1,566
少女漫画界の巨匠・萩尾望都が、かつてペンネームで連載したSF小説。過去が見えるピアリスと未来が見えるユーロ。幼い頃、国を追われ、生き別れになったふたりは、互いの無事を祈りながら、過酷な運命を生き抜いていく。蜃気楼のように時折現れる謎めいたビジョンとは何か。未完ながら、想像をかきたてられる。カラー口絵8ページ、イラスト40点を収録。巻末特別企画として著者インタビューを収録。来年1月には宝塚歌劇団が『ポーの一族』を舞台化する。いまも第一線で描き続けている漫画家の魅力は、レイ・ブラッドベリ、カート・ヴォネガットの世界観とどこか響き合っている。
*「フィガロジャポン」2017年10月号より抜粋
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