昭和レトロ建築で色彩の魔法にかかる、栗原由子とは?

Culture 2017.10.24

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『figue』2014年 1167×910mm 和紙に岩絵の具。『森の中の晩餐会』というコンセプトに合わせ、無数の色彩を用いて点描のように描かれたザクロ。

目の覚めるような鮮やかなピンクのザクロ。透き通るような瑞々しいブドウなど。
日本画家・栗原由子さんのフィルターを通して描かれる果物や野菜、植物や動物はまるで発光しているかのような輝きを放っています。
伝統的な日本画の技法を用いながらも、絵の構図はグラフフィックデザインのよう。そんな新しい日本画表現に挑戦する栗原さんの個展が、10月27日(金)まで、国登録有形文化財「昭和の家(平田家)」内のギャラリーカフェ「縁側カフェ」にて開催中です。

作品の大半を面相筆で描くという栗原さん。「日常の中から感じられる、見落としてしまいそうな日本の四季を描きたい」といいます。恐ろしく細かな描写の作品の数々を見ていると、細胞のひとつひとつまで描くかのように対象物に向かう姿勢が伝わってきます。

会場となるのは昭和14年に建てられたモダンな洋館付和風住宅。手入れの行き届いた日本庭園を背景に、侘び寂びを感じさせる落ち着いた和の空間の中に展示された作品は、いっそう輝きを増し、まるで発光しているかのような色彩を感じさせてくれます。下町散歩と昭和レトロな建物探訪も兼ねて、新しい日本画表現に出合いに来ませんか?

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「木まわりあな」(3連続作品の1部)2015年 1100×550mm 和紙に岩絵の具。旅先で出合ったブナ林とキツネの姿を描いた作品。

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「老松」2017年 455×530mm  和紙に岩絵の具、箔。

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長野県松本市の老舗菓子店「開運堂」の銘菓「老松」のパッケージデザインを担当。

 

『栗原由子 日本画展—わたしの四季—』

会期:開催中〜10/27
国登録有形文化財「昭和の家(平田家)縁側カフェ」
東京都足立区西保木2-5-10
営)11時30分〜18時
無料
●問い合わせ先 :
tel:03-3883-0011
http://shouwanoie.jp

 

texte : HIROKO ABE

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