イッセイさんはどこから来たの? 人と仕事の話。
Culture 2018.02.28
『イッセイさんはどこから来たの?ー三宅一生の人と仕事』小池一子 著 ¥3,456 HeHe/ヒヒ刊
世界的に活躍するデザイナー、三宅一生のクリエイションと人物像を親交が深いクリエイティヴディレクターの小池一子が綴る。
「無印良品」の創設に関わり、伝説的なアートスペース「佐賀町エキジビット・スペース」を主宰し、現在は十和田市立美術館の館長として活躍する小池一子。学生時代から三宅一生を知り、友人として、キュレーターとして同時代を過ごして来た彼女ならではのドキュメントとなっている。倉俣史朗、田中一光、白洲正子、ルーシー・リーなどキラ星のような一流クリエイターとの交流も描かれ、ジャンルを超えた幅広い活動が浮かび上がる。
1960年に東京で「世界デザイン会議」が開かれた時に、服飾デザインが含まれていないことを知り、学生だった三宅一生が質問状を送ったというエピソードも披露。彼にとって服作りはファッションビジネスやモードや業界なのではなく、「生活の中の衣服」を考えた、デザインの一ジャンルということが伺える。「21_21 DESIGN SIGHT」の創立にも繋がるデザインに対する姿勢が見て取れる。
各章には、横尾忠則が手がけた、1977年〜1999年の「イッセイ ミヤケ パリ・コレクション」の招待状デザインをカラーで掲載。装丁は浅葉克己という錚々たる面々が参加し、日本語テキストはすべて活版印刷という豪華本ながら、価格は抑えめなので、ぜひ手にとって見ていただきたい。
扉絵:横尾忠則による、イッセイ ミヤケ パリ・コレクションの招待状。
英文の表紙。HeHe/ヒヒ http://hehepress.com/
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texte : CHISA SATO