大杉蓮が魂を込めた、初プロデュース&最後の主演作。

Culture 2018.11.30

死との対峙が生を際立たせる、鋭くて心を揺さぶる会話劇。

『教誨師(きょうかいし)』

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名バイプレイヤー大杉漣がプロデュースも兼ねて完成を後押しした主演作。映画人としての気概が宿る遺作でもある。大杉演じる牧師の佐伯は、教誨師として6人の死刑囚と対話を重ねる。沈黙と虚言。殺気と陽気。生への諦めと執着。古舘寛治、光石研、映画初出演の玉置玲央らが魂で演じ分けた死刑囚の各々の深淵は、佐伯自身が封印してきた少年期の記憶を呼び覚ます。舞台を室内に限定した会話劇が、不意に川の禁域に降り立つ鮮烈さ。鍛え抜かれた台詞とともに、装飾を排して演者と斬り合う演出も明敏で本物だ。

『教誨師(きょうかいし)』
監督・脚本/佐向大
2018年、日本映画 114分
配給/マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
有楽町スバル座ほか全国にて公開中
http://kyoukaishi-movie.com

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*「フィガロジャポン」2018年11月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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